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米国農務省、トウモロコシの生産予測量を大きく上方修正


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が8月12日に公表した8月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2009/10穀物年度(2009年9月〜2010年8月。以下、「2009/10年度」)のトウモロコシ生産予測量は、8月1日現在の全国作況調査を反映して、前月の予測(122億9000万ブッシェル)を4億7100万ブッシェル引き上げて、前年度を5.5%上回る127億6100万ブッシェル(3億2413万トン)になると予測されている。

生産予測量が上方修正された要因としては、グレートプレーンズ中心部からコーンベルト西部にかけて良好な天候に恵まれたことなどから、1エーカー当たりの収量が昨年を5.6ブッシェル上回る159.5ブッシェル(ヘクタール当たり10.1トン:1エーカー=0.4ヘクタール)と引き上げられたことが挙げられる。なお、今回予測された単収、生産量は、ともに2004年、2007年に次ぐ史上2番目に高い数値となっている。

 同報告では、2009/10年度のトウモロコシの総供給量は前年度を5.5%上回る144億9600万ブッシェル(3億6820万トン)と予測されている。消費については、トウモロコシの供給が増えて価格が低下することから飼料向けの消費が増えると見込まれ1億ブッシェル引き上げられているほか、エタノール混合率上昇を見込んだ需要増を踏まえて、エタノール向けの消費も1億ブッシェル引き上げられている。

 また、海外の生産が前月の予測より減少すると見込まれていることから、メキシコと台湾からの輸入需要があるとして、輸出は前月の予測より1億5000万ブッシェル多くなると予測されている。

 このように消費は増加すると見込まれているものの、それを上回る生産の増加が予測されていることから、期末在庫は前月の予測を7100万ブッシェル上回る16億2100万ブッシェルとされている。この結果、生産者販売価格は前月の予測より1ブッシェル当たり0.25ドル低下して3.10〜3.90ドル(トン当たり11,717〜14,740円:1ドル=96円)になると予測されている。

 一方、大豆の需給見通しについては、1エーカー当たりの収量が前月の予測を0.9ブッシェル下回り、生産量は前月の予測(32億6000万ブッシェル)を6100万ブッシェル引き下げて31億9900万ブッシェル(8701万トン)になると予測されている。 消費量については、国内搾油向け、輸出向けがともに前月の予測を1000万ブッシェル引き下げるなど総消費量は2100万ブッシェル下方修正された。しかしながら、生産量の減少が大きく、2009/10年度の期末在庫は前月の予測から4000万ブッシェル減の2億1000万ブッシェル(571万トン)と予測されている。

 これらの結果、2009/10年度の生産者販売価格は、前月の予測より1ブッシェル当たり0.10ドル上昇の8.40〜10.40ドル(29,647〜36,705円)になると予測されている。
(表)米国における主要飼料穀物の需給見通し(2009年8月12日米国農務省公表)
(参考1)世界の主要飼料穀物の需給見通し(2009年8月12日米国農務省公表))
(参考2)世界の主要飼料穀物の国別需給見通し(2009年8月12日米国農務省公表)

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