需給動向 国内

◆豚 肉◆

潤沢な国産在庫により枝肉卸売価格が依然低水準


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、平成22年1月の豚肉生産量は、7万8千トン(前年同月比0.5%増)と11カ月連続で前年同月を上回って推移している。農林水産省畜産部「肉豚生産出荷予測」によると、22年6月までは前年並みとしているものの、過去5年間平均の比較では1〜3月期で前年同期比2%増、4〜6月期では同4%増と、生産量は依然高水準であることがうかがえる。

 一方、財務省「貿易統計」によると、1月の豚肉輸入量は5万6千トン(同7.9%減)と12カ月連続で前年同月を下回って推移しており、年度累計(21年4月〜22年1月)では57万6千トン(前年同期比16.9%減)と、大幅に減少している。

 輸入量は、生産量の増加に伴う豚肉卸売価格の低下により、国産品の需要が高まったことなどの影響から、冷蔵品、冷凍品とも大きく減少する結果となっている。

 このようなことから、22年1月末現在の推定期末在庫量(当機構調べ)は17万1千トン(前年同月比8.2%減)と、輸入品を中心に徐々に取り崩しが進んでいる。しかしながら国産品在庫は同1.8%増の2万8千トンと依然として高水準で推移している(図2)。

 豚枝肉卸売価格は20年10月以降、調整保管事業の対策を行っているところであるが、東京・大阪市場・省令価格は1月はキログラム当たり416円(前年同月比7%高)、2月は同419円(同2%安)、3月(15日現在)は同419円(3%安)と、生産者のコストを下回るところとなっている。価格安定のため、需要に見合った生産への取り組みが求められている。

図2 豚肉卸売省令価格および推定期末在庫量の推移(東京・大阪加重平均)

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