財務省「貿易統計」によると、22年5月の鶏肉輸入量はおよそ3万3千トン、前年同月比4.3%増と、4カ月連続で3万トンを上回った。ブラジルの対日輸出量(暫定値)は4月は前年同月を下回ったものの、21年12月以降前年を上回って推移している。国内在庫は前年比で7割を切り、玉薄感が強まったことにより、ブラジルのオファー価格が高値で推移しているにもかかわらず、手当買いなどで輸入量の増加につながったものと思われる。
このような輸入増は、今のところ推定期末在庫量に影響を及ぼしておらず、5月は、国産品が2万8千トン(前年同月比18.2%減)、輸入品は7万9千トン(同35.5%減)、合計で10万7千トンと同31.8%減の大幅減少となり、10カ月連続の減少傾向に歯止めがかからない状況が続いている。
一方、卸売価格については、在庫減少が影響して高値で推移している。国産品のうち、もも肉については、年明け以降前年を上回って推移するものの、3月を境に値を下げており、需要が一服し、一部は年末需要に向けて冷凍品として在庫を抱えているとも言われている。これに対し、むね肉はキログラム当たり200円台で推移したことから、量販店などからの引き合いが強く、徐々にではあるが値を上げている(図3、4)。7月8日現在、同243円と200円台半ばまで値を上げており、今後の卸売価格の動向が注目される。
図3 輸入量及び在庫量の推移
|
|
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ
|
図4 鶏肉輸入品及び国産品(東京)の卸売価格の推移
|
|
資料:(社)日本食鳥協会調べ、農水省「食鳥市況情報」
|
|