需給動向 国内 |
平成22年7月〜9月期の配合飼料供給価格は据え置き |
全国農業協同組合連合会(全農)は平成22年6月18日、3期連続して値下げしていた配合飼料供給価格について、7〜9月期は前期(4〜6月)に対し据え置くと発表した。この原因としては、トウモロコシが天候に恵まれ順調な生育が期待される一方、エタノール需要や輸出需要が堅調であること、海上運賃は中国向け需要などから堅調に推移していること、為替は欧州の金融不安などからドルが売られ円高基調で推移していることなどが挙げられている。 また、商系各社、専門農協も全農と同様、据え置きを発表している。 なお、全農が発表した飼料情勢は以下のとおり。 (1)トウモロコシのシカゴ定期は、3月初めにはブッシェル当たり370セント前後で推移していたが、その後天候に恵まれ作付けが例年を上回るペースで進んだことや、作付面積が増加していることから軟調に推移しており、同360セント前後で推移している。今後は、作付けが早期に終了したことで順調な生育が期待される一方、エタノール需要や輸出需要が依然堅調であることから、相場は底固く推移すると見込まれる(図6)、(2)大豆ミールのシカゴ定期は、南米産大豆が大豊作であるとの見通しから軟調に推移してきたが、4月に入り中国向け大豆輸出量の増加により一時的に上昇した。その後、米国での大豆の作付けが順調に進んでいることを背景に相場は軟化し、トン当たり300ドル前後で推移している。国内産大豆ミール価格は、軟調なシカゴ定期を受けて値下がりが見込まれる、(3)海上運賃は、2月前半には一時的な船腹需要の減少からトン当たり65ドル前後まで下落したが、中国向け鉄鉱石・石炭の輸送需要が増加していることや、南米産穀物のアジア向け輸出が最盛期を迎えたことから上昇に転じ、4月以降は同75ドルをはさんだ推移となっている。今後も、アジア向けの鉄鉱石・石炭・穀物の輸送需要が旺盛であると見通されることから、海上運賃は堅調に推移するものと見込まれる(図7)、(4)為替は、3月初めまでは90円前後の水準で推移していたが、4月に入り米国の雇用統計が改善したことなどを受け、一時94円台まで円安が進んだ。その後、欧州の金融市場の混乱が米国経済に悪影響を及ぼすとの懸念からドルが売られ、91円前後で推移している。
|
元のページに戻る