需給動向 海外

◆豪 州◆

2010/11年度の生乳生産量は前年度比2%程度増加の予測


◇絵でみる需給動向◇


2009/10年度の生乳生産量は、かんがい用水の利用制限などから前年度を下回る見込み

 豪州農業資源経済局(ABARE)が6月に公表した農畜産物生産見通しによると、2009/10年度(7〜6月)の生乳生産量は、前年度比5%減の896万キロリットルとやや減少が見込まれる。これは世界金融危機以降の経済不況による乳製品需要の減少や国際乳製品価格の下落に対し、一部の酪農家が2009年初頭より乳牛の淘汰を選択したことやシーズン初頭の低乳価に対し、購入飼料の利用を控えたことが影響している。また、生乳生産の6割を担うビクトリア州の中でも、かんがい用水を利用した酪農を行っている北部地域においては、利用できるかんがい用水が制限されたことにより、前年度を14%下回ると見込まれることが挙げられる。

2010/11年度の生乳生産量は天候回復で増加の予測

 2010/11年度の生乳生産量については、減産となった2009/10年度の反動により、前年度を2%程度上回ると見込まれている。この要因としてABAREは、シーズンを通じて気象条件に恵まれる見込みであること、かんがい用水利用地域において利用量の改善が見込まれること、穀物飼料価格が安価に推移すると予測されること、および購入飼料の利用による1頭当たりの乳量の増加が期待できることを挙げている。

 なお、乳業メーカー6社が5〜7月にかけて発表した初期生産者乳価は、乳固形分1キログラム当たり4.35〜5.13豪ドル(335〜395円:1豪ドル=77円)と、前年度を5〜6%程度上回った。これは、国際価格が前年度後半から回復傾向にあることを反映している。

図10 生乳生産量と生産者乳価の推移
資料:ABAREおよびDAほか

注:年度は7〜6月
  :2010/11年度については初期生産者乳価(乳業メーカー6社の単純平均)


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