需給動向 国内 |
5月の豚肉生産量はわずかに減少、輸入量は増加 |
農林水産省「食肉流通統計」によると、平成22年5月の豚肉生産量は、前年同月比0.8%減の7万トンと、わずかながら15カ月ぶりに前年を下回った。 また、前年秋以降の在庫量減少を背景に、財務省「貿易統計」の5月の輸入量(通関ベース)は、現地高にもかかわらず米国産フローズン豚肉の大幅な増加(1万4千トン、同37.1%増)などを受け、2カ月連続で前年を上回る6万5千トン(同4.6%増)となった。一方、動物検疫所が公表している5月の検疫数量を見ると、7万7千トン(未通関分含む)と輸入量との差が広がっていることから、国内の豚肉需給動向を見極めたいとしてフローズン豚肉の未通関在庫が増加しているとみられる(図2)。 一方、5月の推定出回り量(機構調べ)は、国産品については、特売のアイテムや加工品向けの需要が堅調なことから、7万1千トン(同0.4%増)と13カ月連続で前年を上回ったが、輸入品については、4カ月ぶりに前年を下回り(同5万4千トン)、出回り量全体では12万5千トン(同1.1%減)となった。推定期末在庫量は22年2月の16万8千トンを境に増加傾向で推移している。5月末現在の輸入品・国産品あわせた在庫量は18万5千トンと前年度を9.2%下回ったものの、8カ月ぶりに18万トンを超えた。 豚枝肉卸売価格は、例年夏に向かって生産量の減少に伴い価格が上昇する傾向にあり、今年は4月下旬以降、前年を上回って推移している。 6月末に2カ月ぶりで公表された「肉豚生産出荷予測」(農林水産省畜産部)によると、出荷頭数は11月までは過去5年平均を上回って推移(宮崎県の出荷頭数を除く)すると見込まれている。 輸入量が徐々に増加していることから、今後の需給動向を注視する必要があると考えられる。 5月の豚枝肉卸売価格(省令価格、東京・大阪加重平均)は、前年並みのキログラム当たり483円、6月の速報値は同537円と価格は上昇している。
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