需給動向 国内

◆牛 肉◆

平成22年度上半期の牛肉輸入量、冷蔵はほぼ前年並みも冷凍は大幅増


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成22年9月の牛肉輸入量は、生鮮・冷蔵17,117トン(前年同月比0.2%増)と夏の需要期を過ぎたことで前月から2,631トン減少しほぼ前年並みとなったが、冷凍は前年同月を大幅に上回る34,919トン(同81.5%増)となったことから、合計では前年同月を43.2%上回る52,081トンと17年7月以来の5万トン台に達した。また、22年度上半期(4月〜9月)では、生鮮・冷蔵が112,824トン(前年同期比1.6%増)、冷凍が151,786トン(同13.7%増)となり、合計では264,801トン(8.2%増)となった。

 国別では、豪州産が184,599トン(前年同期比0.8%増)とやや上回ったが、米国産は48,381トン(同23.6%増)と大幅な増加となった(図1)。米国産は、BSEの影響により減少していたが、円高の影響などからこのところ急速に増加してきており、最盛期の水準には遠く及ばないものの、シェアを18.3%まで伸ばした。これに対し豪州産は、依然として輸入牛肉市場の圧倒的シェアを維持しているものの、豪ドル高などの影響により前年度水準にとどまっている。

 こうした状況の中、在庫量をみると、9月は輸入量の急増により、91,776トン(前年同月比5.0%増)と9万トンを上回り、うち輸入品在庫量は、80,503トン(同7.6%増)となった。この水準は、BSEによる輸入停止以降最も多い水準となっており、7年6ヵ月ぶりのことである。

 一方、22年9月の牛肉輸出量を見ると、生鮮・冷蔵で19.6トン(前年同月比25.1%増)、冷凍は17.1トン(同49.1%減)となり、合計で36.7トン(同25.9%減)と大幅に減少した。また、22年度上半期では、生鮮・冷蔵が83.7トン(前年同期比14.5%減)、冷凍が89.5トン(同52.6%減)、合計で173.2トン(同39.6%減)と前年同期と比べ大幅に下回って推移した。

 日本からの牛肉輸出は、今回の口蹄疫の感染が確認されたため一時停止し、現在、一部の国で再開したものの、輸出の本格再開には、多くの国が条件とするOIEによる「清浄国」の認定が必要となるが、清浄国に復帰したとしても輸出量が2009年のレベルまで回復するには、一定の時間を要するものとみられる。

図1 22年度上半期(4月〜9月)国別牛肉輸入量
資料:財務省「貿易統計」

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