平成22年10月のトウモロコシ国際価格(シカゴ定期相場)は、前月比17.4%高のブッシェル当たり582米セントと4カ月連続して前月を上回り、同600米セントに迫る急騰を見せ、平成20年8月以来、約2年ぶりに同500米セントを超える水準となった(図7)。
この要因としては、ロシア政府が穀物輸出の禁止措置を実施したこと、中国が大量の大豆を買い続けていること、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が発表する世界農産物需給推計において3カ月連続してトウモロコシの生産量が下方修正されたことなどファンダメンタルな要因が考えられる一方で、欧州の金融不安や米国の金融緩和策により大量の投機資金が穀物市場に流入したことの影響が大きいとも指摘されている。
また、飼料の輸入価格に影響を及ぼす要因の一つである海上運賃(米国ガルフ〜日本間)についても、中国の大豆需要が引き続き堅調であること、ロシアの穀物禁輸に伴う代替需要から米国産穀物輸出が増加したことなどを受け、9月は前月比2.1%高となるトン当たり60.1ドルと、2カ月ぶりに同60ドル台を上回った(図8)。
依然として円高傾向が続いているが、高水準となった飼料原料価格の動向は、苦しい経営が続くわが国の畜産農家の収益に直結するだけに、その動向に注目が集まっている。
図7 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場 |
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資料:日本経済新聞 |
図8 海上運賃の推移(ガルフ〜日本) |
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資料:社団法人配合飼料供給安定機構調べ |
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