前年同期をわずかながら上回る生乳生産量を記録
ニュージーランド(NZ)の10月の生乳生産量は、前年同月比0.2%増となった。地域別では、NZの生乳生産の60%を担う北島は、9月下旬から11月までの多雨、また、1945年以来といわれる低温の影響を大きく受け、同3.3%減となった。一方、南島は同7.4%増となった。2009/10年度(6〜5月)の生乳生産量の累計は、9月時点で同4.4%増となったが、北島の減産により、10月時点では、同2.6%増となっている。
図12 月別生乳生産量の推移(NZ北島)
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輸出量も前年度を上回って推移
2009/10年度(6〜9月期)の主要乳製品の輸出量は、バターが前年同期比36%増の6万7千トン、脱脂粉乳が同85%増の11万1千トン、全粉乳が同72%増の22万9千トン、チーズが同13%増の7万7千トンと軒並み増加した。一方、乳製品輸出総額においては、契約時の輸出単価が低かったことから、同12%減となっている。民間調査会社NZX
Agrifaxによると、主要乳製品の平均輸出価格は、2007年11月に1トン当たり5,460米ドル(48万円:1米ドル=88円)と最高値を記録した後下落し、2009年6月には最安値同2,290米ドル(20万円)となったが、10月現在は、同3,990米ドル(35万円)まで回復している。
図13 乳製品輸出量(6月〜9月期)
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国際乳製品価格の回復を反映し、フォンテラは生産者乳価を再引き上げ
NZ最大の酪農協であるフォンテラは11月9日、2009/10年度(6月〜5月)の生産者乳価(乳固形分ベース)見込みを1キログラム当たり6.05NZドル(387円:1NZドル=64円)に引き上げると発表した。今回の引き上げについて同酪農協は、世界経済や乳製品の国際需要は未だ不安定ではあるが、最近の国際乳製品価格の上昇傾向を反映したものとしている。この乳価見込みの上方修正は、今年度2度目となる。同酪農協は、今年度の初期乳価について今年5月下旬、国際乳製品価格が低水準であったことなどから同4.55NZドル(291円)と設定していた。しかし、その後、国際乳製品価格の上昇などから、9月下旬、同5.10NZドル(326円)に引き上げている。
表3 フォンテラの生産者乳価(乳固形分ベース)の推移
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