増加に転じた4月の生乳生産量
デイリー・オーストラリア(DA)によると、2009/10年度(7月〜6月)の4月までの生乳生産量は、前年同期比5.2%減の776万キロリットルとなった。月ごとに見ても、シーズン開始当初から一貫して前年同月を下回っていたが、2010年4月は、前年同月比2.7%増と初めて増加に転じた。州別では、ビクトリア州で同5.0%増と2ヵ月連続で上回った。
2009/10年度の生乳生産量は前年度比5%減の見込み
これに先立ち、DAが5月中旬に発表した2010年の酪農の現状および見通しに関するレポートによると、2009/10年度の生乳生産量は、1996/97年度以降、過去最低の水準となる前年度比5%減の895万キロリットルを見込まれている。減産は、南部における生産者乳価の下落による経産牛のとう汰、購入飼料の利用削減などが要因として挙げられる。特に、ビクトリア州北部およびニューサウスウェールズ州南部リベリナ地域では、前年度比9%減とかなりの減少が見込まれている。
図13
月別生乳生産量の推移
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資料:DA
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図14
生乳生産量の推移
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資料:DA
注1:年度は7〜6月
注2:2009/10年度は予測値
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乳製品の国際価格の回復傾向を反映し、生産者乳価は上向き
一方、南部における2009/10年度の生産者乳価について見ると、初期乳価は、乳製品の国際価格の下落により前年度に比べ大幅に下落したが、年度後半は、乳製品の国際価格の回復傾向から、各乳業メーカーはより高い乳価を提示する傾向にある。2010/11年度の初期乳価については、為替相場の動向など不安定要因はあるものの、乳固形分1キログラム当たり4.40〜4.60豪ドル(348〜363円:1豪ドル=79円)、最終乳価は同5.00〜5.40豪ドル(395〜427円)で推移する見込みである。
2010/11年度の生乳生産量は、900万キロリットルとほぼ横ばいの見込み
2010/11年度の生乳生産量については、生産者乳価の上昇や飼料穀物価格の下落が見込まれるものの、前年度の経営収支が酪農経営を圧迫した影響などから、酪農家は増産には慎重な姿勢であり、ほぼ横ばいの900万キロリットルと見込まれる。また、2010年の経営意識調査では、向こう3年間で増産すると回答した酪農家は、経営の先行き不透明感などから、2009年の65%から50%に落ち込み、2005年以降、最も低い数値となった。こうしたことから、2012/13年度の生産量も890万〜920万キロリットルと低水準となる見込みである。
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