需給動向 国内 |
農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成22年4月のバターの生産量は、7,764トン(前年同月比1.8%増)となり、21年3月以降14カ月連続で前年同月を上回った。これは、乳価値上げに伴う小売価格の上昇による牛乳消費の減少などからバターに仕向けられる生乳が大幅に増加したこと、また、成分調整牛乳の販売が好調だったため、その製造過程で抽出された乳脂肪分が長期保存の利くバターなどへ加工されたことによると考えられる。 また、20年度に発生した需給ひっ迫と価格高騰により需要が縮小したことに加え、その後の長期にわたる景気低迷などにより需要は長期低迷していた。しかし、10月以降4月まで7カ月連続して前年同月を上回り、4月の推定出回り量は約7,800トン(同27.5%増)と大幅に増加し、12月以降は需要縮小前の19年度の水準に近づいている。 推定期末在庫量は、ピーク時であった21年7月には前年同月を6割上回る水準であった。その後は、徐々に消化されている状況であるものの、生産量の増加により引き続き高い水準で推移しており、4月末では、約32,527トン(同9.9%増)となった。 なお、農林水産省によると4月の大口需要者向け販売価格は、キロ当たり1,060円(同10.0%減)と8月以降前年同月を下回って推移している。19年度以降、海外の乳製品価格の上昇等により輸入から国産へと需要がシフトして在庫水準が低下し、上昇傾向で推移していたが、生産量、在庫量ともに増加していることを反映し、低下傾向となっていることが考えられる。今後の動向を注視していく必要があろう。
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