需給動向 国内 |
豚枝肉卸売価格は4月以降回復基調で推移 |
農林水産省「食肉流通統計」によると、平成22年4月の生産量は8万トン(前年同月比3.3%増)と、依然として前年同月を上回って推移している。しかし、6月第2週現在の速報値では、5月のと畜頭数が前年同月比9.2%減の119万頭と、1年3カ月ぶりで前年割れとなっている。夏場に入り食欲不振など、豚の成育へ影響し、出荷が遅れていることも要因と考えられる。 一方、4月の豚枝肉卸売価格(省令価格、東京・大阪加重平均)は、前年同月比3%高のキログラム当たり427円と、3カ月ぶりに前年同月を上回った。速報値によると、5月は同483円とさらに値を上げ、6月第2週現在では、同540円台と安定上位価格に達する勢いで上昇している(図2)。 例年、豚枝肉卸売価格は、夏に向かって生産量の減少に伴い価格が上昇する傾向にあるが、今年も4月下旬以降値を上げていて、前年を上回る水準となっている。 これに加えて今年は、昨年度来の輸入量の減少から、在庫の取崩しが進んでいることも、卸売価格を上昇させる要因の一つとなっているものと見込まれている。 農林水産省の「肉豚出荷予測」によると、7−9月の出荷頭数は、前年同期をわずかに下回ると見通されている。また、北米では母豚とう汰による飼養頭数減少のため、豚肉相場は上昇しており、輸入量については、増加する方向はないものの、今後の為替相場の動向によっては、豚肉の輸入量に大きな影響を与えることから、その動向を注視する必要があると考えられる。
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