需給動向 海外

◆豪 州◆

2009/10年度上半期の生乳生産量、前年同期比6%減


◇絵でみる需給動向◇


12月の生乳生産量は前年同月比10%減

 デイリーオーストラリア(DA)によると、2009年12月の生乳生産量は、前年同月比10%減の88万2千キロリットルとかなり減少した。また、2009/10年度上半期(7月〜12月)の生乳生産量は、前年同期比6%減の510万キロリットルとなっている。これは、2009/10年度シーズン初めに提示された低水準の生産者乳価に伴う増産意欲の減退および資金不足により購入飼料の利用を差し控えたことによる1頭当たり泌乳量の低下が影響している。また、一部の酪農家は飼養頭数を削減しており、特に、豪州の生乳生産量の65%程度を占めるビクトリア(VIC)州においてこの影響による減産が著しい。同州の月別生乳生産量を見ると、最盛期となる10月およびその前後の月は、各月とも昨年度を10%程度、6〜7万トンも下回る状況が続いた。また、VIC州の北部は近年の干ばつの影響による飼養頭数減により、上半期の生乳生産量は、前年同期比14.5%減の91万キロリットルとかなり大きく減少した。また、東部は同7.9%減の118万キロリットル、西部は、同4.9%減の127万キロリットルとなっている。

図12 ビクトリア(VIC)州の地域別生乳生産量(7月〜12月)

生乳減産によりマレー・ゴールバン酪農協がVIC州北部のチーズ工場を閉鎖

 マレー・ゴールバン酪農協(MGC)は2月3日、VIC州北部リーチヴィル(Leitchville)のチーズ工場を閉鎖すると発表した。VIC州北部および隣接するニューサウスウェールズ州南部リベリナ地域は、全国の生乳生産量の約2割を占める主要酪農地域である。しかし、上述のとおり、近年の干ばつによる影響で同地域の生乳生産量は大幅に減少しており、2001/02年度は300万キロリットルほどであったが、2009/10年度は、175万キロリットルまで落ち込むと見込まれている。こうした中、MGCは、VIC州北部にある5工場すべてで操業を続けることは困難であるとし、リーチヴィル工場の閉鎖に踏み切った。これにより同工場の従業員80人の雇用に影響が出るとのことである。なお、VIC州北部のほかの4工場や同地域以外の工場については、従来通り操業し、リーチヴィル工場の減産分については、MGCのほかの工場で補うこととなるとしている。また、MGCは、今回の決定は、顧客への製品受渡しに支障を来すものではないとしている。


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