農林水産省「食肉流通統計」によると、平成21年12月の豚肉生産量は、8万5千トン(前年同月比1.5%増)と10カ月連続で前年同月を上回って推移している。
一方、財務省「貿易統計」によると、12月の豚肉輸入量は6万1千トン(同10%減)と5カ月ぶりに6万トン台となった。内訳は、チルドが1万9千トン(同10.8%減)、フローズンが4万3千トン(同9.6%減)となり、この減少傾向は11カ月連続している(図2)。
当機構調べの推定期末在庫量によると、国産品在庫量は、3万トン(同11.2%増)と20カ月連続で前年同月を上回っている。一方、輸入品在庫量は、特に、米国やデンマークからのフローズン輸入量が減少したことなどから在庫の取り崩しが進んでおり、年度当初の16万6千トンから2万9千トン減少して13万7千トン(同11.9%減)と、輸入品を中心に在庫量は減少している。
図2 豚肉生産量と輸入量の推移
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さらに当機構調べの21年4〜12月の推定出回り量は、国産品は68万9千トン(同7.4%増)とかなりの程度増加している。輸入品では、前年同期比13.6%減とかなり大きく減少した結果、21年4〜12月の推定出回り量は、全体では123万7千トン(前年同期比3.0%減)となった(図3)。
このように、豚枝肉価格の値下がりを反映して、輸入品から国産品へのシフト等により、国産品の出回り量が増加する傾向が続いているものの、需要を上回る生産量の増加に伴い、国産品の在庫量が高水準で推移している。また、全体で見ると、業務用・加工用を中心に、輸入量の減少を反映して依然厳しい状況にあることがうかがえる。
図3 豚肉卸売省令価格および推定期末在庫量の推移(東京・大阪加重平均)
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