需給動向 海外

◆ニュージーランド◆

2009/10年度牛肉輸出量、輸出額はともに減少する見込み


◇絵でみる需給動向◇


肉牛飼養頭数は前年度比1.7%減、一方、乳牛飼養頭数は同2.8%増

 ミート&ウール ニュージーランド(MWNZ)が2010年2月に公表した牛肉生産予測によると、2009年6月30日時点の肉牛飼養頭数は、前年に比べ1.7%減(71,000頭)の407万頭、一方、乳牛飼養頭数は、同2.8%増(158,000頭)の571万頭となっている。ニュージーランドの肉牛生産において、酪農部門由来の牛はと畜頭数ベースで5割以上を占め、重要な肉牛供給源である。また、羊・肉牛生産から酪農への経営転換が進む中、酪農部門由来の牛の肉牛生産に占める割合は、さらに増すと予測されている。

図3 牛飼養頭数の推移
資料:Meat & Wool New Zealand
注:各年6月30日現在

2009/10年度の輸出向けと畜頭数は219万頭程度の見込み

 2008/09年度(10月〜9月)の輸出向けと畜頭数は、高齢となった乳用牛のとう汰が進んだため、前年度比5.8%増の233万6900頭となった。一方、2009/10年度についてMWNZは、同6.2%減の219万2100頭と見込んでいる。この減少要因として、①2008年6月時点の繁殖用雌牛飼養頭数の減少(前年比7.7%減)、②北島における度重なる干ばつからの回復に伴う牛群の再構築の進展、③乳価回復を受けた乳牛の保留傾向の高まりが挙げられる。

2009/10年度の牛肉輸出額は大幅に減少し、15億NZドルと予測

 2008/09年度の牛肉輸出量は、ほぼ前年度同の36万2千トン(船積重量ベース)、一方、輸出額(FOB価格)は、同7.4%増の19億640NZドル(1296億円:1NZドル=68円)となった。

 2009/10年度については、1米ドル=0.73 NZドルの仮定のもと、前年度比4.1%減の34万7千トンと見込まれ、輸出額は、同20.5%減の15億1500NZドル(1030億円)と、過去5年で最も高い水準となった前年度を大きく下回ると見込まれている。これは、輸出量の減少に加え、米ドルに対するNZドル高が続いていることが影響し、NZドルベースの平均輸出単価が前年度に比べ17.0%安となるためとみられる。主要輸出先について見ると、総輸出量の50%程度を占める北米(米国、カナダ)向けは、米国において輸入牛肉需要の増加が見込まれるものの、NZドル高が続く中、どの程度輸出を伸ばせるか不透明な状況にある。また、それぞれ8%程度を占める日本および韓国向けは、NZドル高および米国産牛肉との競合が見込まれている。ここ2シーズンで大きく輸出を伸ばしたヨーロッパ向けは、前年度においては1万トン程度となったものの、南米産牛肉との競合の激化が予測されている。

図4 牛肉輸出量と平均輸出価格の推移
資料:Meat & Wool New Zealand
注:2009-10年度は予測値



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