需給動向 国内 |
農林水産省は3月、「全国鶏卵需給連絡会議」を開催し、22年度以降の鶏卵生産の意向調査結果などを公表した。当調査は21年12月に全国の生産者を対象に調査を行い、857件の回答を取りまとめたものである。調査結果によると、増産意向を示した生産者の総増産羽数から、減産意向を示した生産者の総減産羽数を差し引くと、78万羽の増産となった。これは、調査回答者の総飼養羽数1億1千9百万羽の0.7%に相当する。 21年度(4−12月)においては、家計消費量は前年度より1.5%上回っているものの、厳しい経済情勢の中で、業務・加工用需要が前年度を4.4%下回って推移していること、さらには卵価が軟調に推移したため(図5)、卵価安定基金((社)全国鶏卵価格安定基金及び(社)全日本卵価安定基金に置かれる基金)から多額の価格差補てん金が交付された結果、卵価安定基金の財源が6年ぶりに枯渇するなど、鶏卵業界は極めて厳しい状況にある。 このことから農林水産省は、調査結果が示したように、依然として増産意欲がある中で、鶏卵の価格安定を図るためには、22年度に措置される支援事業(鶏卵需給安定緊急支援事業)の活用を図りつつ、需要に見合った生産、とりわけ大規模生産者による計画的な生産が必要であるとした。
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