需給動向 海外

◆豪 州◆

生乳生産、9カ月連続して前年同月を下回る


◇絵でみる需給動向◇


2010年2月の生乳生産量は前年同月比3.8%減

 デイリー・オーストラリア(DA)の公表によると、2010年2月の生乳生産量は、前年同月比3.8%減の62万キロリットルと9カ月連続して前年同月を下回り、2009/10年度(7月〜6月)における2月までの生産量は、前年同期比6.4%減の650万9千キロリットルとなった。

 2月までの生乳生産量を州別に見ると州により生産状況が大きく異なっている。ビクトリア州が前年同期比9.0%減の425万キロリットル、タスマニア州が同8.2%減の49万キロリットルとなった。一方、ニューサウスウェールズ州が同2.4%増の75万キロリットル、クイーンズランド州が同4.8%増の37万キロリットルとなった。これは、加工原料用生乳生産が主となるビクトリア州では、2009年初頭より乳価引き下げの影響をより強く受け、酪農家が経産牛飼養頭数を削減したことによる。

 また、減少幅については、9月以降前年同月比7%を超えて推移していたものの、2月は同3.8%であり、生乳生産はわずかに回復したと見ることができる。

 この背景としては、最近の国際乳製品価格の回復、生産者乳価引き上げ、かんがい用水の利用可能量の増加、比較的安価で推移している飼料価格などにより、一部の酪農家が増産したためと考えられている。

 なお、豪州農業資源経済局(ABARE)が3月に公表した予測では、2009/10年度の生乳生産量は、前年度比5%減の893万キロリットルと見込まれている。

図13 月別生乳生産量の推移
資料:DA
図14 主要乳製品生産量(7月〜2月)
資料:DA

乳製品生産量も軒並み減少

 2009/10年度における2月までの乳製品生産量についても、軒並み減少している。生乳減産が続く中、他製品から高付加価値商品であるチーズへ生産がシフトしてきており、チーズの生産量については、前年同期比2.6%減の23万トンとわずかな減少にとどまった。一方、チーズ以外の主要乳製品生産量は、バターが同17.9%減の6万トン、脱脂粉乳が18.9%減の14万トン、全粉乳は12.7%減が9万トンと、いずれも大幅に減少している。


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