需給動向 国内 |
輸入量、豚肉は減少も、豚肉調製品は昨年を上回る |
財務省「貿易統計」によると、2月の輸入量は5万2千トン(前年同月比8.5%減:部分肉ベース)と、13カ月連続で前年同期比を下回った。これは、長引く豚価低迷を反映したものであり、輸入減の結果、国産品と輸入品を合わせた推定期末在庫(機構調べ)は2月末時点で16万8千トンまで減少している。 しかし、豚肉調製品(HSコード1602-41、1602-42、1602-49)については、2月の輸入量が1万3千トン(同19.8%増)と9カ月連続で前年を上回って推移しており、年度累計(4〜2月)は15万4千トン(同11.5%増)と、豚肉とは対照的に輸入量を増やしている(図2)。景気低迷による落ち込みはあるものの、豚肉と豚肉調製品とを合わせた輸入量は、昨年同期比でおよそ9割程度となっており、外食産業を中心に、需要が輸入豚肉からより安価な豚肉調製品へとシフトしていることがうかがえる。 一方、国内生産量については、2月の生産量は前年同月比0.9%増の7万3千トンと12カ月連続で前年同月を上回って推移している。また、今後の出荷予測は、農林水産省畜産部が3月に公表した「肉豚生産出荷予測」によると、過去5年間の平均出荷頭数との比較では、4〜6月期が前年同期比3%増の408万4千頭、7月は同6%増の134万7千頭、8月も同4%増の133万5千頭と、出荷頭数は高水準で推移すると見通されている。 国内産の卸売価格は、調整保管などの対策の中、安定基準価格である400円をわずかに超えて推移している状況にある。今後の需給および価格を見る上では、豚肉調製品の輸入動向にも目を配る必要がある。
|
元のページに戻る