需給動向 海外

◆豪 州◆

2010/11年度の牛肉輸出量は、主要3カ国向けとも増加見込み


◇絵でみる需給動向◇


2009/10年度のと畜頭数は、気象条件の回復から減少

  豪州農業資源経済局(ABARE)によると、2009/10年度(7〜6月)のと畜頭数は、前年度比2.5%減の848万頭となった。これは、シーズン後半から改善された気象条件により、牛群の保留傾向が続いたためとしている。この傾向は、過去数年の間干ばつの被害を受けた南部オーストラリアで強く、ビクトリア(VIC)州は同14%減、タスマニア(TAS)州は同8%減と、それぞれかなり減少した。

  一方、2010/11年度のと畜頭数は、前年度並みの850万頭を予測している。

2010/11年度の牛肉輸出量は、前年度比1%増の92万トンを予測

  2010/11年度の牛肉輸出量は、主要3カ国(米国、日本、韓国)向けとも増加が見込まれる。しかし、3カ国向け以外へは減少する見込みから、全体では前年度比1%増の92万トンとわずかな増加にとどまるとしている。

・米国向け
  2010/11年度は、北米の牛肉供給量が飼養頭数の減少などから低下するのに対し、消費量が増加する見込みであることから、同14%増の24万トンと、かなり回復する見込みである。

・日本向け
  2010/11年度は、同3%増の36万トンとやや増加する見込みである。これは、日本の景気が、多少なりとも回復するとみられることから、消費量、ひいては、輸入需要が増加するとみられるためとしている。

・韓国向け
  2010/11年度は、同5%増の13万トンとやや増加するとみられる。特に、ファストフード分野での高い需要が見込まれるため、加工用牛肉の輸出量は、同18%増と大幅に増加する見込みである。しかし、競合国である米国産牛肉がシェアを伸ばしており、輸出量は抑制されるとみられる。

表1 牛肉生産量と輸出量の推移
(単位:千頭、千トン、%)
資料:ABARE

2010/11年度の生体牛輸出は、ASEAN諸国、中東向けが増加

  2009/10年度の生体牛輸出は、インドネシア向けが77万頭と、1993/94年度以降最高であったため、前年度比6.2%増の86万頭となった。

  2010/11年度については、同21%減の72万頭を見込んでいる。これは、インドネシア向けが同30%減の50万頭と大幅な減少を見込んでいるためである。しかし、ABAREは、ASEAN諸国および中東など、インドネシア以外への輸出は、同58.3%増の22万頭と、かなり増加するとみており、インドネシア向けの減少分の一部は補われるとしている。

図1 生体牛輸出頭数の推移
資料:ABARE
  注:2009/10年度は推計値、2010/11年度は予測値

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