需給動向 国内 |
平成22年10月〜12月期の配合飼料供給価格、2期連続して据え置き |
全国農業協同組合連合会(全農)は平成22年9月17日、平成22年10〜12月期の配合飼料供給価格について前期(7〜9月)価格を据え置くと発表した。据え置きは2期連続となる。これは、ロシア・ウクライナの干ばつにより小麦相場が急騰し、それに伴いトウモロコシも高騰しているものの、記録的な円高水準で推移している為替状況を踏まえ、厳しい経営が続く日本の畜産経営を考慮した上での判断とみられる。 また、商系各社、専門農協も全農と同様、同価格の据え置きを発表している。 全農が発表した飼料情勢は以下のとおり。 ①トウモロコシのシカゴ定期は、6月下旬にはブッシェル当たり350セント前後で推移していたが、ロシア・ウクライナの干ばつによる小麦相場の急騰を背景に大量の投機資金が流入したこと、米国農務省の需給見通しで輸出需要の増加と単収の低下により期末在庫率が下方修正されたことから上昇し、同490セントを超える水準となっている。今後のシカゴ定期は、引き続き旺盛な輸出需要に支えられ、堅調に推移すると見込まれる(図7)。 ②大豆ミールのシカゴ定期は、6月前半にはトン当たり300ドル台で推移していたが、中国の旺盛な需要により大豆の輸出が増加していることから上昇し、同330ドル前後の水準で推移している。国内産大豆ミール価格は、シカゴ定期が上昇しているものの、為替の円高により小幅の値下がりが見込まれる。 ③海上運賃は、6月中旬にはトン当たり70ドル前後であったが、中国向け鉄鉱石および石炭の荷動きが一時的に停滞したことから大幅に値下がりし、7月中旬には同50ドル台前半となったものの、その後の輸送需要の回復により相場は反転し、同65ドル台前後の水準となっている。今後は、旺盛な中国向けの鉄鉱石、石炭、大豆の輸送需要を背景として、堅調に推移すると見込まれる(図8)。 ④外国為替は、6月上旬には92円を超える水準であったが、7月と8月発表の雇用統計が悪化するなど、米国の景気減速懸念が強まったことからドルが売られ、今後は、米国の景気回復には時間を要すると予想、円は強含みで推移すると見込まれる。
|
元のページに戻る