需給動向 海外

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9月の豚枝肉卸売価格、3カ月連続で前年値を下回る


◇絵でみる需給動向◇


夏場のピーク、2009年に及ばない結果に

  欧州委員会が公表したEU27における9月の豚枝肉卸売価格は、100キログラム当たり144.75ユーロ(約16,646円、1ユーロ=115円)と3カ月連続で前年を下回る結果となった。2010年当初、同価格は2009年に準じた水準で推移すると見通されていたところであるが、2010年第3四半期終了時点においては、2009年の値を上回ったのは2月と6月のみとなっており、夏場の需要期におけるピークの高さ、長さとも2009年に及ばない結果となった(図2)。

  また、主要豚肉生産国の卸売価格も同様に9月に入り低下傾向で推移しており、前月比で、ドイツ5.5%安、オランダ4.6%安、ポーランド4.4%安、デンマーク3.4%安という状況となっている(図3)。例年の豚肉相場においては、3四半期の需要期を過ぎると第4四半期に低下傾向で推移する現象が観察されていることから、上記の主要豚肉生産国における動向もこの流れに沿ったものと理解できる。しかしながら、9月27日に開催された農相理事会においては、ポーランド代表より昨今の穀物価格上昇による畜産経営、なかでも購入飼料への依存度の高い養豚経営への影響について問題提起され、穀物に係る介入買入在庫の放出および畜産物に係る介入買入価格引き上げの2点について欧州委員会での検討が要請されるなど、域内の養豚経営をめぐる情勢に注目が集まっている。豚肉に係る介入買い入れは近年発動実績がなく、2008年末に政治合意された共通農業政策のヘルスチェックにおいても当該措置の将来的な廃止が既に決定されているものではあるが、思わぬ形で再び脚光を浴びることとなった。欧州委員会は、9月27日の農相理事会の場で穀物に係る介入買入在庫の放出を図るものの、豚肉の介入買入価格引き上げについては適切ではない旨答弁したところであり、今後の対応ぶりが注目される。

図2 EUにおける豚枝肉卸売価格の推移
資料:欧州委員会
図3 2010年9月における豚枝肉卸売価格の変化率
資料:欧州委員会

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