需給動向 国内

◆鶏 肉◆

7月輸入量は増加、国産品はももむね合わせて800円切る


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、22年7月の鶏肉輸入量はおよそ3万7千トン、前年同月比37.9%増と大幅に増加した。このうちブラジル産が3万4千トン(同39.2%増)、米国産が2千トン(同33.1%増)であった。大幅増の要因としては、より安価な食肉への需要が高まっていること、米国からの輸入量増加などが影響しているとみられ今後ますます増加するのではないかと言われている。

  鶏肉調製品についても、輸入ものの割安感や、国内産へのこだわり感が薄れてきたこともあり、国内産を原料とした加工仕向けが鈍く、直接海外から調製品を輸入する傾向が強いため、7月は3万7千トン(同26.9%増)と大幅な増加となった。

  国内では、8月以降、国産品のむねとももを合わせた価格が800円を切る相場となっており、8月速報値ではキログラム当たり、もも肉は541円(前年同月比7%安)、むね肉は同250円(同18%高)と、「もも肉の下落とむね肉の上昇」という現象に陥っており、より単価の安いものへ需要がシフトしていることがうかがえる。

  鶏肉及び鶏肉調製品の輸入量が増加傾向にある中、節約志向が後押しする形となって、量販店などからは国産むね肉への引き合いが強まっており、今後の相場動向が注目される

図3 鶏肉輸入品及び国産品(東京)の卸売価格の推移
資料:(社)日本食鳥協会調べ、農林水産省「食鳥市況情報」
図4 輸入量及び在庫量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ、農林水産省「食鳥市況情報」

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