配合飼料の成分構成の約5割を占めるトウモロコシの国際価格(シカゴ定期相場)の平成22年8月の価格は、前月比8.1%高となるブッシェル当たり425米セントとなり、7カ月ぶりに400米セント台を上回った。シカゴ定期相場は、平成20年上半期の高騰から一転して下落し、米国の主産地における好天に伴う豊作見込み、欧州の金融不安による投機資金の流出、穀物需要の減退懸念など受けブッシェル当たり300米セント後半から400米セント前後で推移し、最近では7カ月連続して同400米セントを下回っていた(図8)。
8月のシカゴ定期相場上昇の要因としては、ロシア政府が、大規模な干ばつの発生に伴う小麦の大幅減産見込みを受け国内価格の上昇を防ぐため穀物輸出の禁止措置を実施しており、シカゴ小麦定期相場が高騰し、その動きに連動するかのようにトウモロコシ価格も上昇したことや、小麦およびトウモロコシに投機資金が流入したことなどが考えられる。
また、飼料の輸入価格に影響を及ぼす要因の一つである海上運賃(米国ガルフ〜日本間)についても、中国の大豆需要が引き続き堅調であることや、ロシアの穀物禁輸に伴う代替需要から米国産穀物輸出が増加したことなどを受け、8月は前月比15.5%高となるトン当たり58.9ドルとなった(図9)。
なお、依然として記録的円高傾向で推移する為替状況は、苦しい経営が続くわが国の畜産農家にとっては朗報であり、飼料原料価格および海上運賃上昇分をどれだけ相殺できるか、その動向に注目が集まっている。
図8 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場 |
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資料:日本経済新聞 |
図9 海上運賃の推移(ガルフ〜日本) |
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資料:社団法人配合飼料供給安定機構調べ |
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