2009/10年度生乳生産量は、最大の生産州であるVIC州で前年度比5.6%減
デイリー・オーストラリア(DA)の統計によると、2009/10年度(7〜6月)の生乳生産量は、前年度比3.9%減の902万2千キロリットルと1996/97年度以降、最低の水準となった。これは、国際乳製品価格の下落を反映し、生産者乳価が低水準で推移したことなどが要因として挙げられる。
州別では、生乳生産量の約3分の2を占めるビクトリア(VIC)州の下落率が最も大きく、同5.6%減の579万キロリットルとなった。同州を地域別にみると、主にかんがい用水を利用した酪農を行っている北部で、同11.9%減とかなり大きく減少した。その他、東部が同3.6%減、西部も同2.0%減と全地域において前年度を下回った。
図10 主要乳製品の生産量の推移 |
|
資料:DA |
2009/10年度主要乳製品の生産量は、チーズを除き前年度をかなり下回る
2009/10年度における主要乳製品の生産量は、生乳の減産を背景に、バターが前年度比15.4%減の10万6千トン、脱脂粉乳が同9.6%減の19万トン、全粉乳が同14.6%減の12万6千トンとそれぞれかなり減少した。一方、チーズについては、同1.6%増の33万トンとわずかに増加した。
乳製品の輸出額は、国際価格の下落を反映し大幅に減少
2009/10年度における、乳製品の輸出量(製品重量ベース)については、前年度比2.3%減の74万6千トンとなった。品目別にみると、脱脂粉乳は同22.3%減の12万6千トン、全粉乳は同26.0%減の11万7千トンとそれぞれ大幅に減少した。一方、バター(バターオイルを含む)は同3.6%増の6万8千トンとやや増加し、付加価値の高いチーズも、同16.3%増の16万8千トンと大幅に増加した。
輸出額については、国際乳製品価格の下落を反映し、前年度と比べ17.9%減と大幅に減少し、23億9612万豪ドル(1862億円7436万円:1豪ドル=77円)となった。品目別にみると、バター(バターオイル含む)が同8.8%減、脱脂粉乳が同36.2%減、全粉乳が同39.8%減、チーズが同9.4%減と、軒並み前年度を下回った。また、輸出額を輸出量で除した平均輸出単価についても、バターが同12%安、脱脂粉乳が同17.8%安、全粉乳が同18.6%安、チーズが同22.1%安と全ての品目において下落した。
表8 乳製品輸出量および輸出額 |
(単位:トン、千豪ドル、%) |
|
資料:DA |
|