農林水産省「食肉流通統計」の全国のと畜頭数は6月は134万頭(前年同月比2%減)、7月は132万頭(同4%減)、8月(速報値)は124万9千頭と前年同月比4%減と減少傾向となっている。
これは、記録的な猛暑の影響で、増体不良により出荷が遅れているためとみられる。
農林水産省が9月3日に発表した家畜の被害状況調査によると、全国(宮崎県を除く)で7月1日から8月15日までの間に暑さが原因で死亡または廃用になった豚は、猛暑年だった2008年の同時期に比べ25%増の657頭であったことにも、今年の猛暑の影響の大きさが窺える(図2)。
さらに農林水産省が9月10日に開催した「平成22年度全国肉豚生産出荷協議会」において、各ブロックから今年度上期はおおむね前年を上回って生産・出荷がなされたが、このところの猛暑による発育不良による出荷遅延が秋以降の相場に影響するのではとの意見が多く出された。
このようなことからも、出荷頭数の減少により、昨年に比べて堅調な相場が続くとみられるが、涼しくなる秋以降から、遅れていた豚の出荷が一気に増え、急落する可能性があると危ぐする声もある。
図2 暑熱による地域別の豚の被害状況(7/1〜8/15) |
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資料:農林水産省 ※九州は宮崎を除く |
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