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6月期のフィードロット飼養頭数、3月期からかなり増加 |
QLD州、NSW州で飼養頭数が顕著に増加豪州フィードロット協会(ALFA)は7月26日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2010年6月期)を公表した。これによると、2010年6月末時点の総飼養頭数は79万1千頭と、前回調査(2010年3月期)比で11.2%増、前年同期比で6.4%増とそれぞれかなり増加した。 州別では、最大の肉牛生産地であるクイーンズランド(QLD)州が前回調査比17.4%増と大幅に増加し、2番目に多いニューサウスウェールズ(NSW)州も同6.8%増とかなり増加した。 飼養頭数増加の要因として、6月期は冬期(豪州は南半球)で牧草が少ないため、3月期より増加する傾向にあることに加え、ALFAは、飼料原料となるソルガムについて、生産量が当初予測を上回り、価格が安定して推移したこと、牛肉の国内需要が堅調であることなどを挙げている。 また、NSW州北部やQLD州では、ソルガムの供給が、軟調となった輸出需要を反映して潤沢であったため、フィードロット飼養頭数の増加が後押しされた。一方、ビクトリア(VIC)州および西オーストラリア(WA)州については、飼料穀物価格は下落したものの、素牛価格が高値で推移した影響を大きく受け、前回調査に比べ減少したとみられる。 グレインフェッド(穀物肥育)牛肉の輸出量は日本向けの低迷により減少ALFAは、飼養頭数調査結果の中で、輸出市場における豪州産グレインフェッド牛肉に対する需要は低調であるとしている。MLAによると、2010年4〜6月におけるグレインフェッド牛肉の輸出量(船積み重量ベース)について、韓国向けは、同国通貨ウォンに対し豪ドルが安定して推移したこと、韓国国内の牛肉生産量が減少したことなどから、前年同期比28%増の7,425トンと大幅に増加した。しかし、最大の輸出先である日本向けが、豪ドル高で推移したこと、米国産牛肉との競合などにより、同6.4%減の36,158トンとかなり減少したことから、グレインフェッド牛肉の総輸出量は同2%減とわずかに減少している。
新たなる市場拡大へ期待現地報道によると、フィードロット生産者は、豪州産高級(グレインフェッド)牛肉のEU向け輸出の無税枠に期待しているとしている。この無税枠は、2009年8月にEUが新設(年間2万トン)したもので、豪州は2010年1月にその対象として承認されていた。業界関係者は、「現時点での輸出枠は少ないが、豪州牛肉業界が長年待ち望んでいたEU市場拡大の契機となる」とコメントしているものの、MLAは、2009/10年度(7〜6月)のEU向けの牛肉輸出量(無税分含む)は、ギリシャの財政危機など、不安定な経済の影響により、前年度比13%減の8,000トン、2010/11年度も1万1000トン程度にとどまると予測している。
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