財務省「貿易統計」によると、22年6月の鶏肉輸入量はおよそ3万5千トン、前年同月比3.4%増と、5カ月連続で3万トンを上回った。また、鶏肉調製品についても、3万3千トン(同21.9%増)と、5カ月連続で前年度を上回って推移している。これら輸入量の増加に伴い、輸入品を含む国内在庫量(機構調べ)は5カ月ぶりに増加に転じ、11万3千トンとなった(図3)。しかし、前年度と比較しても国内在庫量は依然として低水準にあり、今後も年末の需要期に向けて、輸入量は増加するとの見方もある。
一方、卸売価格については、国産品のうち、もも肉については高値で推移していたが、安価なむね肉へのシフトなど需要が一服したことにより、3月のキログラム当たり677円を境に値を下げており、7月の速報値では同580円となっている。
これに対し、むね肉については、長らく相場が低迷していたが、節約志向が後押しする形となって、量販店などからの引き合いが強まり、22年3月の同197円を底に、価格は上昇してきている(図4)。8月2日現在のむね肉の卸売価格は、同247円まで値を上げており、今後の卸売価格の動向が注目される。
図3 輸入量及び在庫量の推移 |
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資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ |
図4 鶏肉輸入品及び国産品(東京)の卸売価格の推移 |
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資料:(社)日本食鳥協会調べ、農水省「食鳥市況情報」 |
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