需給動向 国内 |
急落した豚肉相場、秋以降に期待 |
農林水産省「食肉流通統計」などによると、22年6月の豚枝肉卸売価格(省令価格、東京・大阪加重平均)は、キログラム当たり538円(前年同月比5%高)と、高値を維持していたが、7月3連休明けに急落し、同400円台前半まで下落した。7月速報値では、前年並みの同489円となり、7月27日に口蹄疫の移動制限が全て解除されたことなどから、豚肉相場には不安感が取り除かれ、弱含みの展開となっている。 こうした中、依然として輸入量は4月以降前年度を上回って推移しており、財務省「貿易統計」によると、6月は前年同月比24.9%増の7万7千トンと大幅に増加し、20年10月以来、20カ月ぶりの7万トン台となっている。これに伴い輸入品在庫量(機構調べ)は16万7千トンと22年2月以降徐々に増加してきている(図2)。 さらに、「肉豚生産出荷予測」(農林水産省畜産部)によると、出荷頭数は、12月までは過去5年平均を上回って推移(宮崎県の出荷頭数を除く)すると見込まれる中、依然として節約志向が続き、8月いっぱい学校給食がないことから、高級部位だけでなく、スソ物など低級部位の相場も緩んでいるとも言われている。 しかしながら、今夏の猛暑により増体重に少なからず影響が出はじめているほか、昨年実施した母豚早期更新の効果が今後現れてくることなど、相場の底上げ要素も想定される。
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