需給動向 海外 |
牛肉生産量は、減少傾向から一転して増加する見込み |
牛と畜頭数および牛肉生産量は2011/12年度より緩やかに増加豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2011年3月、今後5年間にわたる農産物需給予測を発表した。ABARESによると、2011/12年度(7〜6月)の牛飼養頭数は、前年度比2.2%増の2790万頭を予測されている。これは、過去の干ばつにより早期出荷の傾向にあった牛について、気象条件の改善により、保留される傾向が強くなるとの見通しに基づいている。 一方、牛肉生産量および牛と畜頭数については、同2%増の219万トン、同2%増の850万頭と、飼養頭数が増加見込みであるにもかかわらず、いずれも増加を予測している。これは、南東部のフィードロット飼養頭数が増加するためとしている。 中期的には、グレインフェッド牛肉の増産見込みから増加傾向で推移し、2015/16年度には、牛肉生産量は236万トン、牛と畜頭数は909万頭に達するとしている。 また、洪水の影響についてABARESは、物流網の寸断から牛の移送が一部滞ったものの、豪州全体の生産には大きな影響はなかったとした。一方で、価格については影響がみられ、東部地区若齢牛指標価格は1月、キログラム当たり411豪セント(349円:1豪ドル=85円)と2005年以来の最高値となり、2月中旬については同393豪セント(334円)と、落ち着きをみせたものの依然として高値で推移しているとした。
2014/15年度には、牛肉輸出量は100万トンに達すると予測2011/12年度の牛肉輸出量は、東南アジアおよびロシア向けの増加見込みから、前年度比2%増の93万トンと見込まれている。主要輸出先についてみると、日本向けは同2%増の36万8千トン、米国向けは、加工用分野における需要の増加から同6%増の19万トン、韓国向けは、景気の回復や同国の口蹄疫の影響から同3%増の13万2千トンと軒並み増加するとしている。インドネシア向けについては、食料自給率向上を目指す同国の政策の影響から同25%減の3万5千トンと、大幅な減少を見込んでいる。 中期的な見通しとして、日本向けについては2015/16年度までに39万トン台まで増加するとしているが、米国産牛肉に対する月齢緩和措置の如何によっては、減少するともみている。北米向けについては、国内供給量の減少が見込まれる中、需要が旺盛であることから増加傾向で推移し、2015/16年度までに23万トンに達するとしている。韓国向けについては、景気の回復や所得水準の向上から強い需要があり、2015/16年度には14万8千トンを見込んでいるものの、北米産牛肉との競合も予測されるため、多少増加は抑制されるともみている。2010年初頭より増加しているロシア向けについては、国内生産を上回る需要がみられ、今後5年間は増加基調で推移し、2015/16年度には8万トンに達するとしている。
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