海外トピックス


オセアニア:2010/11年度冬穀物生産、大雨や洪水にかかわらず4200万トンの豊作見込み(豪州)


冬穀物生産量は4216万トンと史上2番目の豊作見込み

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2月15日、2010/11年度(7〜6月)の冬穀物および夏穀物の生産見通しを発表した。これによると、冬穀物生産量は、前回12月発表時の4316万トンから4206万トンへと110万トン下方修正されたものの、前年度に比べれば18.6%増と依然、大幅な増産が見込まれる。地域別にみると、東部州は、昨年末から今年1月の大雨や洪水による影響で250万トン下方修正された一方、西オーストラリア州が当初の予測を上回り110万トン上方修正された。品目別にみると、小麦は前年度比20%増の2633万トン、大麦は同18%増の930万トン、カノーラは同11%増の214万トンと主要3品目が軒並み前年度を上回る見込みである。また、2010/11年度に異常発生したバッタよる被害は最小限にとどまったとしている。なお、小麦の輸出量は、大雨による品質低下により1600万トンと前年度比8.2%の増加にとどまる見込みである。

2010/11 年度における冬穀物の生産見通し
(単位:千トン)
資料:ABARES

夏穀物生産量も、大雨や洪水にもかかわらず大幅増加の見込み

 2010/11年度における夏穀物の作付面積は、主産地であるニューサウスウェールズ(NSW)州やクイーンズランド(QLD)州南部において春期から夏期にかけて降雨量が平均をかなり上回ったことから、前年度に比べ著しく増加した。QLD州やNSW州北部の土地の低い地域では、昨年末から今年初めの大雨や洪水により、特に綿実は生育に影響があったが、夏穀物の生育は概して良好と見込まれる。ことため、生産量は、前年度比66%増の476万トンと大幅な増加が見込まれる。品目別にみると、飼料として利用されるソルガムは、前年度比39%増の222万トン、綿実は、同2.2倍の119万トンと大幅な増加が見込まれる。これは、洪水による影響でQLD州の作付面積のうち18%が崩壊したものの、かんがい用水の利用の大幅な増加や綿実価格の高騰により作付面積が増加していたためとしている。コメについても、かんがい用水の利用が大幅に増加したことから作付面積が大幅に増加し、同3.9倍程度の80万トンと大幅な増加が見込まれる。

2010/11 年度における夏穀物の生産見通し
(単位:千トン)
資料:ABARES

 


元のページに戻る