需給動向 海外

◆豪 州◆

2011/12年度の牛肉生産量および輸出量はいずれも増加の見込み


◇絵でみる需給動向◇


牛群再構築が進み、牛飼養頭数、牛肉生産量ともに増加

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)によると、2011/12年度(7〜6月)の肉牛飼養頭数は、前年度比2.4%増の2546万頭と予測される。豪州東部や北部では、昨年後半から今年始めにかけての多雨により、牧草の生育状況が良好であり、かんがい用水の貯水量も豊富となっている。これを受けて、2011年1〜3月の雌牛と畜頭数は前年同期比6.0%減となるなど、繁殖雌牛の保留傾向が強まっている。今後は牛群再構築が進むとみられることが、飼養頭数増加の予測につながった。

 牛と畜頭数は、飼養頭数増の結果、1996年以来最低になるとみられる前年度と比べて6.1%増の860万頭と予測される。このため、牛肉生産量も同3.0%増の219万トンと、増加の予測である。

肉牛市場取引価格は下落

 2010/11年度後半から高値で推移していた肉牛市場取引価格(家畜市場取引価格を加重平均:枝肉重量ベース)は、前年度比7.4%安の1キログラム当たり300豪セント(264円:1豪ドル=88円)と予測される。

表1 肉牛生産および市場取引価格の推移
資料:ABARES(2011年6月公表)
  注:2010/11年度、2011/12年度は予測値

 豪州南東部の素牛需要は依然として強く、若牛の取引価格高は今後も続くとみられる。しかしながら、成牛の取引価格については、豪ドル高によって、日本向けを中心に輸出の競争力が低下していることから、下落するとみられる。このことから、全体として下落の予測となった。

牛肉輸出量は日本以外は軒並み増加

 2011/12年度の牛肉輸出量は、前年度比2%増の98万トン(船積み重量ベース)と予測される。最大の輸出先である日本は減少と見込まれるものの、米国、韓国のほか、ロシア、中国、中東などの新興国向けでは増加の見込みである。

 主要3カ国を見ると、日本向けは、昨今の豪ドル高、米ドル安の流れを受けて、米国産牛肉のシェアは引き続き増加するとみられ、同3%減の34万トンと予測される。

 米国向けは、米国で生産地域における気象条件が改善されたことによって、牛群構築のために保留意欲が高まり、牛肉生産量が減少するとみられることから、豪州産牛肉の輸入が増加し、同13%増の18万トンと予測される。

 韓国向けは、外食産業からの輸入牛肉需要が高まっていること、また、口蹄疫による殺処分後の飼養頭数の回復が進まないことから、同7%増の15万トンと予測される。

図1 国別牛肉輸出量の推移
資料:ABARES(2011年6月公表)
  注:2010/11年度、2011/12年度は予測値

 


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