需給動向 国内 |
国内供給は回復基調、輸入増により在庫量積み増し |
財務省「貿易統計」によると、23年5月の鶏肉輸入量は、42千トン(前年同月比29.5%増)と2カ月連続で前年同月を上回る40千トン台となった。 また、鶏肉調製品についても、5月は35千トン(同31.1%増)と、16カ月連続で前年同月を上回った。内訳を見ると中国が20千トン(同41.5%増)と大幅に増加したほか、タイも15千トン(同18.3%増)と両国ともに前年度を上回る勢いで増加している。 今夏は節電により、家庭での調理が敬遠され、特に油を使用する鶏唐揚げなどの中食需要が増えると推測される。このため、惣菜材料としての安価な鶏肉や、加工済みで便利な鶏肉調製品の輸入量が増加すると思われる。 一方、(社)日本種鶏ふ卵協会によると、5月の鶏ひなふ化羽数(出荷羽数)は5万1千羽(前年同月比0.1%減)と、ほぼ前年並みまで回復し、ブロイラー用の種鶏も前年度比16.8%増の472千羽と、震災被害から回復するため急ピッチで増羽していることが分かる。5月の鶏肉生産量(機構推計)は、112千トン(同6.3%減)と、前年度を下回ったものの、2月を底に上昇基調で推移している。推定在庫量(機構調べ)は輸入増により、22年10月以来、7カ月ぶりに90千トン台となり、前年度比16.4%増の92千トンと大幅に増加した(図4)。
依然として国内生産量は、震災で被害を受けた主産地が回復途上にある中、鶏肉輸入については、大半を占めるブラジルからの輸入量が2カ月連続で40千トンを超え、鶏肉調製品も鶏肉同様、増加傾向を示している。今後の輸入量及び在庫量の動向に注目したい。 |
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