需給動向 海外 |
旺盛な素牛需要を反映し、EYCI価格は再び上昇
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9月のEYCI価格は4月以来の400豪セント台に豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、9月の東部地区若齢牛指標(EYCI)月平均価格は前月比5%高、前年同月比8%高のキログラム当たり401豪セント(341円:1豪ドル85円、枝肉重量ベース)と、若牛に対する旺盛な需要を反映して、同年4月以来となる400豪セント台を記録した。 肉牛価格は例年、出荷が抑制される冬場にかけて上昇し、春先にピークを迎える。今年は豪ドル高による輸出市場における需要低迷から、EYCI価格は6〜7月にかけて下落傾向で推移した。しかし、比較的乾燥気味の冬を経た後、クイーンズランド州南部やニューサウスウェールズ州、西オーストラリア州などの肉牛生産地で、8月以降の多雨により牧草状態の改善や穀物の増産が期待されて素牛需要が高まったこと、また、降雨によって出荷が停滞したことから、EYCI価格が上昇基調に転じた結果、9月の高値となった。
その後も、豪州気象庁(BOM)による11月から向こう3カ月にかけて多くの地域で平均を上回る降雨が見込まれるとの気象予測を受けて、素牛需要が維持されたことから、EYCI価格は堅調に推移している。11月16日現在、EYCI価格は404.25豪セント(344円)となっている。 豪ドル高の一服により9〜10月の輸出量は増加に転じる豪州の牛肉輸出量は、豪ドル高による輸出不振などから、4月以降5カ月連続で前年を下回った。しかし、7月後半に1豪ドル当たり1.1米ドルを超える高値を記録していた豪ドル高が、9月に同0.9米ドル台まで値を下げて一服したことから、輸出需要は回復を見せた。9月の輸出量(子牛肉含む。船積み重量ベース。以下同じ)は前年同月比7.9%増の8万2千トン、10月は同14.1%増の8万4千トンと、2カ月連続で前年同月を上回った。 9〜10月の合計を輸出先別でみると、主要3カ国の日本向け(5万8千トン、前年同期比5.3%増)、米国向け(2万5千トン、同8.9%増)、韓国向け(2万4千トン、同27.9%増)はいずれも増加し、そのほかでもブラジルやチリなど南米向け(4500トン)が前年から8割増と大幅に増加した。 一方、1〜10月の累計でみると77万7千トン(前年同期比2.7%増)となり、日本向け(27万8千トン、前年同期比4.3%減)および米国向け(13万5千トン、同19.0%減)は豪ドル高の影響などから減少となったが、口蹄疫の影響から輸入量が増加した韓国向け(12万1千トン、同21.4%増)や、南米からの輸出量が減少し代替需要が増加したロシア向け(5万1千トン、同32.1%増)が大きく伸びている。
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