需給動向 国内 |
飼料用小麦の輸入が倍増 |
財務省「貿易統計」によると、平成23年度上半期の飼料用小麦の輸入量は、前年同期比128.9%増の13万9000トンと倍増した。国別では、豪州が7万トン、カナダが6万9000トンとほぼ半分ずつの割合となっている。なお、平成23年度飼料需給計画(注)では、飼料用小麦の輸入量は30万トンとなっている(図5)。
この背景としては、ロシアが穀物輸出を禁止したことや、米国のトウモロコシ在庫率が低下したことなどから、22年後半以降トウモロコシの国際価格が上昇傾向となったことにある。このため、トウモロコシの代替需要として飼料用小麦の輸入が増加した。 トウモロコシの輸入価格(CIF)は、これまで小麦の価格を下回る傾向であったが、23年5月以降、小麦価格を上回っている。8月のトウモロコシ価格は、同月の小麦価格を16.5%上回るトン当たり28,523円となった(図6)。
また、農林水産省「流通飼料価格等実態調査」によると、22年度の配合飼料原料使用におけるトウモロコシの割合は47%台であったが、23年7月の割合は82万8000トンと45.0%となった。一方、22年度の小麦の割合は0.9%前後であったが、7月は2万2000トンと1.2%となった。 このような中、米国農務省(USDA)が10月12日に公表した世界農産物需給推計によると、同国産トウモロコシの2011/12年度期末在庫率は5.3%から6.8%と上方修正されたものの、依然として低い水準にあることから、トウモロコシの国際需給は引き続きひっ迫傾向が続くとみられる。このような状況の中、当面、飼料用小麦の輸入は増加が続くとみられる。 |
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