需給動向 国内 |
23年1月〜3月期の配合飼料供給価格、約3,200円上昇 |
全国農業協同組合連合会(全農)は22年12月17日、23年1〜3月期における配合飼料供給価格について、前期(平成22年10〜12月)に対し全国全畜種総平均トン当たり約3,200円値上げすることを発表した。 また、商系各社、専門農協も全農と同様、同約2,900円〜3,650円の値上げを発表している。 なお、配合飼料価格が直近1年間の平均価格を上回った場合に発動する「通常価格差補てん金交付事業」により、配合飼料価格安定基金(通常飼料基金)から同3,250円が補てんされるため、生産者の実質負担額は軽減される。 全農が発表した飼料情勢は以下のとおり。 ①トウモロコシのシカゴ定期は、8月上旬にはブッシェル当たり400セント前後で推移していたが、天候の悪化などによる単収低下から期末在庫率が米国農務省見通しで史上二番目に低い6%台に下方修正されたこと、米国の金融緩和政策に伴い大量の投機資金が穀物市場に流入したことから大きく上昇し、同580セント前後で推移している。今後は、在庫率が低水準にとどまる一方で、輸出などの需要が旺盛であることから、シカゴ定期は堅調に推移するものと見込まれる(図6)。
②大豆ミールのシカゴ定期は、9月上旬にはトン当たり330ドル台で推移していたが、中国向けの大豆需要が依然として旺盛であること、米国農務省需給見通しにおいて単収の低下により大豆の期末在庫率が5%台に下方修正されたことから上昇し、同380ドル前後で推移している。 ③米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、8月上旬にはトン当たり60ドル前後で推移していたが、中国向けの輸送需要の回復により9月上旬には同65ドルを超える水準まで上昇し、その後の鉄鋼原料輸送の停滞に伴い、同60ドルを下回る水準で推移している。今後は、中国・インド向けの石炭需要の増加が見込まれることから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれる(図7)。
④外国為替は、9月上旬には86円前後で推移していたが、米国の景気低迷が長期化するとの観測が広がったことからドルが売られ、84円前後で推移している。今後は、景気回復の遅れに伴い米国のドル安容認姿勢が継続されるため、穏やかな円高傾向が続くと予想はされるが、過度な円高局面では当局による介入が警戒されることから、現行水準での相場展開が見込まれる。 |
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