需給動向 海外 |
2010/11年度の生乳生産量はわずかに回復する見込み |
7〜11月は前年同様に低調な推移デイリー・オーストラリア(DA)によると、2010/11年度(7〜6月)の11月までの生乳生産量は、前年同期比0.4%増の424万キロリットルとごくわずかな増加にとどまった。これは、最大の酪農地域であるビクトリア(VIC)州の生産量が、前年度中に、低乳価により乳牛飼養頭数を削減したこと、また、シーズンはじめに低温、湿潤気候に見舞われたことを背景に、前年並みの281万キロリットルとなったことによる。
一方、豪州農業資源経済科学局(ABARES)が2010年12月に発表した農産物需給予測によると、2010/11年度の生乳生産量は、過去14年で最低の水準となった前年度からわずかに回復し、1.4%増の915万キロリットルと見込まれる。この要因として、生産者乳価が安価であった前年度より3.2%高い1リットル当たり38.5豪セント(32円:1豪ドル=85円)と見込まれること、また、2010年6月末時点で前年比7%減となった経産牛飼養頭数が、2011年6月末には初期乳価の上昇を反映し、同1.3%増の157万頭まで回復すると見込まれることなどを挙げている。 2010/11年度の乳製品生産量、輸出量は前年度並みの見込み2010/11年度の乳製品生産量、輸出量については、生乳生産量がわずかな増加にとどまると見込まれることから、いずれも前年度並みと予測される。 生産量を品目別にみると、バターは前年度比0.8%減の12万7千トン、チーズは同0.3%増の35万トン、脱脂粉乳は同1.1%減の18万8千トン、全粉乳は同8.7%増の13万7千トンと見込まれ、中でも旺盛な輸出需要を反映した全粉乳の伸びが著しい。 輸出量については、豪ドル高が続くと見込まれることから、前年度並みと見込まれる一方、輸出額については、前年に比べ国際乳製品価格のわずかな上昇が予測されるため、前年度をわずかに上回る20億豪ドル(1700億円)と見込まれる。
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