2010/11年度の冬穀物生産量は4320万トンと史上2番目の豊作見込み豪州農業資源経済科学局(ABARES)は12月7日、2010/11年度(7〜6月)の冬穀物および夏穀物の生産見通しを発表した。これによると、冬穀物生産量は、前回9月発表時の4066万トンからかなり上方修正され、前年度比22%増の4320万トンと史上2番目の豊作が見込まれる。この要因についてABARESは、ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア(VIC)州、南オーストラリア(SA)州の穀倉地帯において、春期の降雨量が平年を上回ったことによるものとしている。しかし、NSW州の多くの地域やクイーンズランド(QLD)州では、収穫期における多雨による影響で、小麦のタンパク質含量の低下や大麦の飼料向け割合の増加などが懸念されている。 冬穀物生産量はNSW州が前年度比で倍増、WA州は半減する見込み品目別にみると、小麦は前年度比22.4%増の2682万トン、大麦は同24%増の981万トン、カノーラは同6.6%増の205万トンと主要3品目全てにおいて前年度を上回る見込みである。また、州別にみると、最大の生産量を誇る西オーストラリア(WA)州は、乾燥気候による影響から同54%減の600万トンと半減するものと見込まれる。これに対し、NSW州は同2.2倍の1711万トンと過去最高の増産が見込まれる。また、VIC州やSA州も、同46%増の863万トン、同36%増の966万トンといずれも大幅に増加するとみられる。QLD州も同7%増の175万トンとかなりの増加が見込まれる。
夏穀物の作付面積は、前年度比67%増を予測2010/11年度の夏穀物の作付面積は、主産地であるNSW州やQLD州南部において冬期および春期において降雨量が平均をかなり上回ったことから、前年度比67%増の154万ヘクタールと大幅な増加が見込まれる。品目別にみると、飼料として利用されるソルガムは、同35%増の69万7千ヘクタール、綿実は、同2.7倍の55万7千ヘクタールと大幅な増加が見込まれる。綿実については、価格が高値で推移したこと、かんがい用水割当量が増加したことなどが増加の要因として挙げられる。コメについても、かんがい用水割当量の大幅な増加により、同4.7倍の8万9千ヘクタールと大幅な増加が見込まれる。 ※豪州農業資源経済局(ABARE)と農学局(BRS)は2010年7月1日に組織が統合され、12月1日付けで名称を豪州農業資源経済科学局(ABARES)に統一した。 |
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