需給動向 海外 |
2010年第3四半期の牛肉輸出量、主要3カ国向けは低迷 |
南米の供給減で、総輸出量は増加豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)が11月下旬に発表した報告書によると、2010年第3四半期(7〜9月)における牛肉輸出量は、生産量が前年同期比2%減と減少したにもかかわらず、同5%増の24万7306トン(船積重量ベース)と増加した。この要因については、南米の供給量が減少したことにより、ロシア、中東からの代替需要が増加したことを挙げている。 ※この結果を踏まえ、2010年第1〜3四半期(1〜9月)では、前年同期を2.4%下回る68万5千トンとなった。 種類別では、グレインフェッド(穀物肥育)牛肉、グラスフェッド(牧草肥育)牛肉はともに増加しており、特にグレインフェッド牛肉は同10%増の5万9201トンとかなり増加した。これは、最大の輸出先である日本向けが同10%増の4万3850トン、韓国向けが同16%増と増加したためとしている。 日本、韓国向けは前年同期並み、米国向けは加工用を中心に落ち込む国別にみると、日本向けはグレインフェッド牛肉について、フローズンが同39%増と大幅に増加したものの、チルドおよびグラスフェッド牛肉が前年を下回ったため、前年同期比2%増の9万1649トンとわずかな増加にとどまった。北米向けは同14%減の5万2216トンと、1996年以来最低の水準となった。これは、米国市場に比べ、ロシア、日本、インドネシアの市況がよりよかったためとしている。このため、加工用牛肉(ひき材用途)について、米国向けは同15%減少する一方、日本向けは同14%増、ロシア向けも前年同期から約16倍増加した。韓国向けは、今年に入ってから輸出量は増加傾向にあったが、依然として高値で推移した豪ドルおよび9月下旬の連休需要向け輸出が、米国との競合によって伸び悩んだため、前年並みの3万2019トンにとどまった。
主要3カ国以外の国として、ロシア向けは同154%増と大幅な増加となったが、これは同国における南米からの輸入量、特にアルゼンチンからの輸入量が同80%減少したことが大きいとしている。EU向けは、2010年1月より豪州産高級グレインフェッド牛肉に対する無税枠(年間2万トン)を設けたことから同4%増加した。また、同枠の新設により、グラスフェッド牛肉が同31%減少する一方、グレインフェッド牛肉は総輸出量の約3分の1を占めるまでに増加した。 日本の景気低迷を反映しフルセット輸出量は大幅減アイテム別にみると、フルセットが前年同期比18%減の7千1トンと減少した一方、シルバーサイド、シックフランクなどがいずれも増加した。これは、世界的な景気の低迷から、単価の安いパーツに需要が集まったことが背景にある。なお、フルセットについては、主要輸出先である日本向けが同17%減と大幅に減少したことが影響している。
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