需給動向 国内

◆鶏 肉◆

年末需要へ向けて輸入量は増加


◇絵でみる需給動向◇


 平成22年10月の生産量(推計)は、猛暑によるひな出荷減などから、12万1千トン(前年同月比0.7%減)と前年を下回った。好調な需要により、国産品の10月の推定期末在庫は、前月より約2千4百トン、また前年同月より約6千3百トン減少した。

 財務省「貿易統計」によると、10月の鶏肉輸入量はおよそ3万8千トンと、9カ月連続で3万トンを超え、今年4月の4万トンに迫る高水準となった。また、輸入量が少なかった前年同月と比べると44.5%増と大幅に増加した。

 国別では、ブラジル産は3万5千トン(前年同月比47.4%増)と増加傾向にある。また、米国産については2千3百トン(同3.2%増)と量的には少ないながら、13カ月連続で前年度を上回って推移している。そのほか、フィリピンやチリも輸入量を顕著に増やした。

 鶏肉調製品についても、鶏肉同様増加傾向にあり、中国産が1万5千トン(前年同月比23.5%増)、タイ産が1万7千トン(同10.5%増)、合計ではおよそ3万2千トン(その他235トン含む)(同16.2%増)となった(図3)。

図3 鶏肉・鶏肉調製品輸入量及び在庫量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ

 輸入量の増加に伴い、輸入品在庫量は増加傾向にある。しかし、国産品が、猛暑によるひなの出荷減などから、クリスマス需要を前に品薄感が生じているため、加工向けとしての輸入鶏肉、安価で調理が便利な鶏肉調製品への需要は、今後も継続するものとみられる。


 鶏肉生産量(推計)を掲載しました(参考資料24ページ)。平成21年12月をもって農林水産省は、推計値(月毎)公表を取りやめましたが、「需給情報として必要性が高い」とのご要望を受け、(社)日本食島協会と(社)日本種鶏孵卵協会の調査結果をもとに当機構が推計した数字を掲載したので、参考にして下さい。


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