平成22年11月のトウモロコシ国際価格(シカゴ定期相場)は、前月比8.9%安のブッシェル当たり530米セントとなり、4カ月ぶりに前月を下回った。シカゴ定期相場は、10月には同600米セントに迫る急騰を見せ、平成20年8月以来、約2年ぶりに同500米セントを超える水準となったことから、関係者の間では、高騰がいつまで続くのか不安視されていた(図7)。
図7 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場 |
|
資料:日本経済新聞 |
11月上旬になると、一時同600米セント水準にまで達した後、同500米セント付近まで下落し、月末にかけて再上昇するなど乱高下した。これらの要因としては、構造的な部分では、ロシア政府の穀物輸出の禁止措置、中国の大豆大量購入、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)のトウモロ生産量の下方修正などが考えられる一方で、短期的には、欧州の金融不安や米国の金融緩和策を受けた投機資金が大量に穀物市場に流入し、利益確定などの売買が頻繁に起こった影響が大きいと指摘されている。
また、飼料の輸入価格に影響を及ぼす要因の一つである海上運賃(米国ガルフ〜日本間)についても、中国の大豆、鉄鉱石、石炭需要が引き続き堅調であることやロシアの穀物禁輸に伴う代替需要から米国産穀物輸出が増加したことなどを受け上昇傾向で推移していたが、それらの需要が一服したため、10月は前月比10.1%安となるトン当たり54ドルと、再び同60ドル台を下回ることとなった(図8)。
図8 海上運賃の推移(ガルフ〜日本) |
|
資料:社団法人配合飼料供給安定機構調べ |
さらに、為替についても、依然として円高傾向で推移するも不安定な状況に変わりはなく、シカゴ定期相場の動向などとともに、今後も注視が必要である。 |