需給動向 海外

◆豪 州◆

生乳生産量が減少する中、堅調に推移する飲用乳消費


◇絵でみる需給動向◇


2009/10年度(7〜6月)の飲用乳販売数量は、前年度比1.8%増

 デイリー・オーストラリア(DA)によると、2009/10年度(7〜6月)における飲用乳販売数量は、生乳生産量が前年度比3.9%減の902万3千キロリットルと減少したにもかかわらず、同1.8%増の226万9千キロリットルと堅調に推移した。 また、1人当たりの飲用乳消費量も前年度並みの102.4リットルと、他の先進国と比較しても依然として高い水準にあり、年間生乳生産量のうち約4分の1が飲用乳に仕向けられている。

 品目別に見ると、販売数量の約半分を占める普通牛乳は同0.3%減となった。これに対し、販売数量の約4分の1を占め、普通牛乳に次いで2番目に多い部分脱脂乳(低脂肪乳)は、消費者の健康志向を反映し、同3.7%増と増加した。また、最も増加率が高かったLL牛乳も、同7.7%増とかなり増加している。これは、スーパーマーケットにおける値引き競争によるところが大きい。

図13 飲用乳販売数量の推移
資料:DA
  注:2009/10年度は暫定値

飲用乳価格は、ナショナル・ブランド、プライベート・ブランドとも前年度を下回る

 スーパーマーケットにおいては、飲用乳の総販売数量が約半分を占めるが、2009/10年度における販売数量は、前年度比3.8%増の116万1千キロリットルとなり、このうち、ナショナル・ブランド(NB)商品が49.6%、プライベート・ブランド(PB)商品が50.4%を占めた。1999/2000年度にはPB商品のシェアはわずか25%であったことから、より安価なPB商品の拡大がうかがえる。

 2009/10年度における1リットル当たりの飲用乳販売価格は、NB商品は前年度比で3.6%安の2.12豪ドル(176円:1豪ドル=83円)、また、PB商品も同4.0%安の1.19豪ドル(98円)となった。これについてDAでは、2000年7月に実施された酪農乳業制度改革に伴う酪農生産者、特に飲用乳生産者への影響を軽減する目的から、飲用乳の販売に対し賦課されていた課徴金(1リットル当たり11豪セント(9円))が、2009年2月をもって廃止されたためとしている。

3リットルサイズのプラスチック容器が増加

 スーパーマーケットにおいて販売される飲用乳の約8割はプラスチック容器である。容量については、主流である2リットルサイズのシェアが8年前の50%から40%に減少するとともに、1リットルサイズ(紙容器およびプラスチック容器)も33%から20%に減少した。一方、3リットルサイズのプラスチック容器は1998年6月に初めて登場したときは13%であったが、現在は35%に増加している。


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