需給動向 海外 |
5月の肉牛価格は依然高値も、輸出需要の低迷等を受けて値下がり |
肉牛価格は例年と異なる低下豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、5月の東部地区若齢牛指標(EYCI)平均価格は前年同月比14%高のキログラム当たり392豪セント(349円:1豪ドル=89円)と、5月の平均としては過去最高となった。ただし、輸出需要の低迷やクイーンズランド(QLD)州からの出荷増を反映して、史上最高を記録した3月後半の同424.25豪セントからは低下している。 日本向け肥育去勢牛や米国向けカウミートなどの輸出価格についても同様に低下しており、日本向け肥育去勢牛の平均輸出価格は、前月比で8%安、前年同月比では1%安のキログラム当たり324豪セント(288円)となった。 豪州の肉牛価格は、例年、5月から9月にかけて上昇傾向で推移するが、今年は豪ドル高や日本からの輸出需要の低迷、若齢牛の歴史的高値などいくつかの要因が影響し、EYCI価格は6月9日現在で同385豪セント(343円)と低下傾向は継続している。
米国向けで輸出不振輸出需要の低迷は、主要市場である日本および米国での不振によるものである。 特に、米国向けは、これまでの輸出価格高や米国内における消費者からの需要の低迷が影響して、同37%減の1万5,140トン(子牛肉を含む。船積重量ベース。以下同じ)となった。 また、日本向けも、震災以降、小売りや外食産業からの引き合いが弱まっていることや、豪ドル高から米国産牛肉へ需要がシフトしたことにより、前年同月比0.6%減の3万586トンとなった。 一方で、韓国向けが同5%増の1万1,406トン、ロシア向けが同22%増の6,093トン、中東向けが同73%増の3,344トン、EU向けが同49%増の1,321トンと好調であった。 この結果、5月の牛肉輸出量は前年同月比1%減の8万4,661トンとなった。 と畜増も価格低下に追い打ちQLD州からの出荷増については、3月後半からの大雨やイースター休暇によって停滞していた牛の出荷が進んだことに加え、5月に入ってからの乾燥気味の気候により、と畜が進んだことによるとみられる。 このため、5月の豪州全体の週平均と畜頭数は、前月比19%増、前年同月比2%増の13万8,000頭となった。
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