需給動向 国内 |
22年度配合飼料生産量、前年度比1.5%減 |
農林水産省は5月20日、「流通飼料価格等実態調査(速報版)」を公表した。これによると、3月の配合飼料生産量は、震災の影響により東北地方での生産が減少したことから、前年同月比1.5%減の約209万8000トン、22年度累計では、前年度比1.5%減の約2398万トンとなった。原料使用量は、トウモロコシが同1.5%減の約102万1000トン、なお、大豆油かすも同3.1%減の約29万1000トンとなった。 トウモロコシについては、配合飼料の成分構成の約5割を占めているが、近年輸入が減少しており、財務省「貿易統計」によると、平成22年度は、前年比6.7%減の約1,080万8000トンとなった。この原因としては、国内畜産物生産の減少に伴い、配合飼料生産の減少が続いたことに加え、トウモロコシに次ぐ成分構成を占める(1割以上)大豆油かすの輸入が増加したことなどが考えられる。 なお、輸入価格(CIF)については、年度後半以降、トウモロコシの国際需給が再びひっ迫傾向となったことから、同5.2%高の1トン当たり約21,600円となった(図8)。
一方、国別輸入量を見ると、輸入量の約9割を占める米国が近年のエタノール需要の増加や多雨による一時期の品質低下などから、前年比11.5%減の約953万1000トンとなった。その一方で、世界第2位のトウモロコシ輸出国であるアルゼンチンが米国産の減少を補完する形で、同約4倍近くの約69万トンとなった。なお、その他の中では、ブラジルからの輸入量が大幅に増加している(図9)。
米国農務省(USDA)が6月9日に公表した世界農産物需給推計の月例報告によると、同国産トウモロコシの2011/12年度期末在庫率は5.3%と下方修正されたことから、当面の間トウモロコシの国際需給はひっ迫傾向が続くと見られる。このような中で、震災と合わせて原発の問題が今後、トウモロコシをはじめとする飼料輸入に及ぼす影響が注目される。 |
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