需給動向 海外

◆米 国◆

増産の鶏肉生産にも足踏みの様相


◇絵でみる需給動向◇


2011年の鶏肉生産量を下方修正

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が公表した「Broiler Hatchery」によると、米国の主要19州におけるブロイラー向けひなの週間導入羽数は、増加幅は2010年11月をピークに急落したもののほぼ前年を上回って推移している。

 また、同局が公表した「Poultry Slaughter」によると、平均出荷体重は2010年の上半期が前年同期比1.7%増、下半期では同2.3%増。2011年1〜3月では同2.8%上回るなど増加傾向が継続している。

 こうしたひなの導入羽数と平均出荷体重の増加がブロイラーの生産量に反映されており、3月までは17カ月連続で前年同月を上回っている。

 ただし、同省経済調査局(USDA/ERS)が4月14日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、飼料穀物価格が高騰する中、やや需給が緩み、価格が弱含んでいることから2011年の生産量は前年を1.4%上回るものの、前月の予測から11千トン下方修正されて16,973千トンになると見込まれている。

図7 ブロイラー向けひな週間導入羽数と前年比
資料:USDA/NASS「Broiler Hatchery」

輸出は増加するも、在庫は依然高い水準

 ブロイラーの輸出量は、最大の輸出先であるロシアの禁輸が2010年9月に解除された以降は前年同月を上回って推移し、2011年2月は23万3千トンと前年同月を11.7%上回った。この結果、ブロイラーの在庫は減少傾向にあり、USDA/NASSが公表した「Cold Storage」によると、2011年3月は31万6千トンと3カ月連続で取り崩された。ただし、12.9%増と依然、前年同月を上回っている。

 在庫を部位別に見ると、むね肉は2010年12月以降前年同月を上回って推移しており、3月は同38.3%増の6万5千トンとなった。手羽は増加傾向にあり、2011年3月は同119.3%増の3万1千トンと15カ月連続で前年同月を上回った。一方、骨付きもも肉(もも四分体)は、ロシアへの輸出再開後急減したが、3月は同13.8%増の4万7千トンとなった。

図8 ブロイラー在庫の前年同月比の推移
資料:USDA/NASS

好調なもも肉の卸売価格

 一方、4月の丸どり価格(12都市平均)は、前年同月比0.02%安のポンド当たり82.1セント(約68円:1ドル=83円)と1月以降4カ月連続で前年同月を下回って推移しており、むね肉も5カ月連続で前年同月を下回る同13.2%安の135.3セント(約112円)となった。手羽は、14カ月連続で前年同月を下回って推移する中、4月は同39.8%安の82.7セント(約68円)となった。これに対し骨付きもも肉(もも四分体)は、ロシアの禁輸が解除された9月以降前年をほぼ上回って推移し、4月は同27.0%高の46.3セント(約38円)となった。

図9 ブロイラー卸売価格の前年同月比の推移
資料:USDA/AMS

 このように、主に輸出に仕向けられるもも肉を除く他の部位の価格は前年同月を下回って推移している。USDAは、需給を締めるために生産者は生産を減少すると予測している。内需向けの各部位の価格の動向が注目される。


元のページに戻る