需給動向 国内

◆飼 料◆

トウモロコシ国際価格は4月に700米セント台に上昇も5月は下落か


◇絵でみる需給動向◇


 平成23年2月に2008年以来となるブッシェル当たり722.5米セント(当月最終取引日の終値)の高水準に達したトウモロコシ国際価格(シカゴ定期相場の先物期近価格)は、3月に600セント台に下落したものの、4月は前月比9.6%高の同754米セントと上昇に転じた。なお、4月11日には高値で783.8米セントと過去最高となった(図6)。

図6 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場
資料:日本経済新聞

 3月には、①震災で日本のトウモロコシ買い付けの減少が懸念されたこと、②日本の原発事故や中東情勢などから、ファンド筋からの売りが行われたこと、③食料インフレ緩和のための輸入が予想された中国からの買い付けが行われなかったこと−などから下落した。

 しかし、3月31日に米国農務省(USDA)が発表した2011/12年産トウモロコシの期末在庫率(期末在庫/総消費量)が前年度を大きく下回る3%台に落ち込むとされたことから、相場は一転して上昇した。その後、在庫率は5%に上方修正されたが、依然として低水準であることなどから、4月の価格は700米セント台と高水準で推移した。

 USDAは5月、11日付けの世界農産物需給推計の月次報告において、米国産トウモロコシ期末在庫率を6.7%と上方修正した。これを受け、同日の相場は同668米セントに下落した。依然として低い在庫水準の中で、天候、飼料需要やエタノールに対する税制措置などが相場に今後どの程度影響するか注視する必要がある。

参考 海上運賃の推移(ガルフ〜日本)
資料:社団法人配合飼料供給安定機構調べ

参考

○牛肉需給表
(単位:トン、前年比%)
資料:農水省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、在庫量は農畜産業振興機構調べ。
  注:数量は部分肉ベース。輸入量は煮沸肉並びにくず肉のうちほほ肉及び頭肉のみ含む。
※23年2月〜3月の生産量は東北地方太平洋沖地震の影響により、青森県を除いた数値。また、対前年同月比も同様に算出。
○豚肉需給表
(単位:トン、前年比%)
資料:農水省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、在庫量は農畜産業振興機構調べ
  注:数量は部分肉ベース
※23年2月〜3月の生産量は東北地方太平洋沖地震の影響により、青森県を除いた数値。また、対前年同月比も同様に算出。
○鶏肉需給表
(単位:トン、前年比%)
資料:農水省食肉鶏卵課推計(21年12月をもって公表終了)、「食鳥流通統計」、財務省「貿易統計」、在庫量は農畜産業振興機構調べ
注1:生産量は骨付き肉ベース
  2:成鶏肉を含む
  3:輸入量には鶏肉以外の家きん肉を含まない。
  4:22年1月以降の生産量は(社)日本食鳥協会および(社)日本種鶏孵卵協会の調査結果をもとに、農畜産業振興機構が推計。 このため、データの連続性に注意されたい。

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