需給動向 海外

◆チ リ◆

2010年の豚肉生産量は2年連続して減少


 チリ農業省農業政策・調査局(ODEPA)よると、2010年における豚肉生産量は前年比3.0%減の49万8324トンとなった。2008年後半の国際金融危機の影響から、多くの施設で繁殖計画の見直しを余儀なくされたため、2年連続しての減少となった。

表2 豚肉需給の推移
資料:チリ農業省農業政策・調査局(ODEPA)
  注:生産量および一人当たり消費量は枝肉重量、輸出入量は製品重量

 また、実質GDP成長率が2月のチリ中南部地震の影響が懸念されたものの5.2%と好調な経済であったことから、一人あたりの豚肉消費量は同1.7%増の24.4キログラムとなった。

図6 豚肉卸売価格
資料:チリ農業省農業政策・調査局(ODEPA)
  注:製品重量

 このため、豚肉の国内需給はひっ迫し、豚肉卸売価格は年間を通じて前年同月より上回って推移した。旺盛な国内需要を輸入品で補う必要から、輸入量は同129.4%増の1万2166トンとなった。このうち、カナダ産は1キログラム当たり2.6ドル(約216円:1ドル≒83円)と割安なことから、6656.6トンと全輸入量の54.7%を占めた。

チリ・韓国FTA締結から7年で輸出量は約3倍に成長

 旺盛な国内需要の影響から、輸出量は前年比16.4%減の9万3671トンとなっている。主要輸出先国は韓国と日本であり、全輸出量の6割以上を占めた。日本向けは、単価が1キログラム当たり5.7ドル(約473円)と最も高い。

表3 豚肉輸出先国
資料:チリ農業省農業政策・ 調査局(ODEPA)
  注:製品重量

 2011年4月でチリ・韓国のFTA締結から7年が経過した。韓国は締結後10年かけて、段階的にチリ産豚ばら肉の輸入関税率を25%から0%に削減することとしており、2011年5月時点では7.1%まで引き下げられている。締結後の豚肉輸出は順調に推移し、2010年の輸出量は締結前の2003年比、198.4%増の3万6708.5トン、輸出額は同244.4%増の9万5479千ドル(約79億2476万円)となった。

表4 韓国向け豚肉輸出
資料:チリ農業省農業政策・ 調査局(ODEPA)
  注:製品重量

元のページに戻る