需給動向 国内 |
22年度豚肉輸入量、前年度を11%上回る76万8千トン |
財務省が4月27日に公表した貿易統計によると、平成22年度の豚肉輸入量(部分肉ベース)は、前年度を11%上回る76万8千トンとなった。 豚肉輸入量は、景気の低迷による消費者の経済性志向が高まった20年度には81万5千トンだったが、21年度には国内生産量の増加を背景に輸入品の需要が低下したこと等から前年度を15%下回っており、22年度の輸入量の増加は、前年度の減少分が一定量戻った形と言える。 豚肉輸入量の内訳を見ると、生鮮・冷蔵品が前年度を5%上回る23万6千トンで、国別では、トップの米国産が同5%増の17万1千トン、第2位のカナダ産が同7%増の5万5千トンと、この2カ国で前年度に引き続き全体の9割強を占めている(図2)。 一方、冷凍品は、前年度を14%上回る53万2千トンで、国別では、米国、デンマーク、カナダの3カ国が全体の4分の3を占めている。米国産が前年度比23%増の13万9千トン、デンマーク産が同4%増の13万3千トンと増加した一方で、カナダ産が同2%減の12万トンとなった。また、最近、EU諸国からの冷凍品の輸入量が数量は少ないながらも増加している。これを国別で見ると、スペインが1万7千トン(同112%増)、フランスが1万1千トン(同15%増)、オーストリアが9千トン(同97%増)、アイルランドが7千トン(同366%増)となっている(図3)。機構が実施している豚肉輸入動向検討委員会の委員によると、これら諸国からの輸入増加の背景として、北米・デンマークにおける原産地相場の上昇により、これらの国に代えて低価格のテーブルミート用の「ばら」や「かたロース」の需要が高まっていることが挙げられる。
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