需給動向 国内 |
農林水産省「食肉流通統計」によると、平成22年12月の牛枝肉卸売価格(東京市場)は、年間で最大の需要期であり12月に入って気温が本格的に下がり始め、鍋物需要の動きが活発化したことなどから交雑種を中心に値を上げた。 めす和牛A−5は、キログラム当たり2,518円(前年同月比6.2%安)、A−3が同1,602円(同0.1%安)となった。去勢和牛A―5が、同2,194円(同4.2%安)、A―3が同1,600円(同0.6%安)と前月より価格は上昇したものの、引き続き前年同月を下回った。特に5等級、4等級については景気低迷による末端の低価格志向が根強く、依然として大幅な前年割れが続き、厳しい価格相場となった。なお、2等級、3等級については、交雑種が高水準で推移していることから振り替えもあり、下げ幅が小さくなっている。 一方、交雑種は、出荷頭数の減少による品薄感の高まりにより、引き続き高水準で推移しており、交雑種めす牛B−3が同1,346円(同12.1%高)、B−2が同1,171円(同29.5%高)、交雑種去勢牛B−3が同1,368円(同11.0%高)、B−2が同1,197円(同25.2%高)といずれも前年同月を上回った。なお、こうした状況を反映し、省令価格は同1,243円(同13.0%高)とかなり大きく上回っており10カ月連続して前年同月を上回った(図1)。 例年1月、2月は年末年始の出費の増加に伴い、節約志向が高まり牛肉の購買意欲が減退すると考えるが、1月の速報値をみると去勢和牛4等級など前年同月を上回る状況になっている。今後の牛枝肉相場を注視していく必要があろう。
|
元のページに戻る