需給動向 国内

◆鶏 肉◆

輸入増の中、国産品(東京)価格は下がらず


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、12月の鶏肉輸入量は、輸入量の9割を占めるブラジル産が、11カ月ぶりで前年を1.8%下回り3万トンを割ったものの、輸入量全体ではおよそ3万3千トン(前年同月比3.8%増)と11カ月連続で前年を上回った。年度累計(4−12月)では33万トン(前年同期比30.8%増)と大幅な増加となっている。この結果、推定期末在庫量(機構調べ)は、輸入品が21年7月以来、17カ月ぶりに前年を上回り、8万5千トン(前年同月比0.1%増)となった。鶏肉調製品の輸入については、外食などでの低価格な商品への需要が依然根強いことから、3万5千トン(同16.5%増)、年度累計(4−12月)で29万8千トン(前年同期比22.7%増)と、高水準で推移している。
 
  しかし国産品については、夏の猛暑などがコマーシャル鶏や種鶏に与えた影響などにより、品薄状態にあり、12月は2万4千トン(同22.2%減)となった(図3)。

図3 鶏肉・鶏肉調製品輸入量、生産量及び在庫量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ、農林水産省「食鳥市況情報」

  このような中、国産品(東京)卸売価格は、年末需要期以降、下がることなく推移している(図4)。

図4 鶏肉輸入品及び国産品(東京)の卸売価格の推移
資料:(社)日本食鳥協会調べ、農村水産省「食鳥市況情報」

  12月のもも肉とむね肉をあわせた価格はキログラムあたり937円(同8.7%高)1月(速報値)は同986円(同11.5%高)となった。
 
  懸念されている西日本への供給については、東日本からの供給ルートが整いつつあるとも言われていることから、今後は鳥インフルエンザによる影響がどの程度出てくるのか、留意する必要がある。


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