需給動向 海外

◆飼 料◆

2010/11年度トウモロコシと大豆、ブラジルで生産量を大きく上方修正


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が4月8日に公表した4月の世界農産物需給推計の月次報告によると、世界の2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「2010/11年度」)におけるトウモロコシの需給は、生産は大きく上方修正されるが、消費がそれ以上に上方修正されて期末在庫は下方修正された。一方、大豆生産も上方修正されたが、消費のうち搾油向けが下方修正されたため期末在庫は上方修正された。

トウモロコシの生産はブラジルが200万トン上方修正

 世界の粗粒穀物(注)は生産量が450万トン上方修正された。そのほぼ半分はサハラ以南のアフリカ諸国におけるソルガムの生産増による。また、同地域においては雑穀も140万トンの増産が見込まれている。

表5 世界のトウモロコシおよび大豆の需給見通し(2011年4月8日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「WorldAgriculturalSupplyandDemandEstimates」
  注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

 トウモロコシの生産量はブラジル、ウガンダ、パラグアイなどにより計120万トンが前月の予測から上方修正された。ブラジル一国で200万トン上方修正されており、ウガンダは50万トン、ウルグアイは40万トン。一方、インドネシアは130万トン、エジプトと南アフリカはそれぞれ50万トンの下方修正となっている。

 トウモロコシの輸入は、インドネシアが90万トン、中国が50万トン上方修正している。中国については3月中旬にトウモロコシが一時値を下げたときに輸入契約を増やしたと言われている。カナダにおいては40万トンの輸入減が見込まれている。一方、トウモロコシの輸出については、ブラジルが100万トン、パラグアイが20万トン上方修正し、南アフリカとタイはそれぞれ50万トン下方修正している。

 世界のトウモロコシの消費は、中国、ブラジル、タイの飼料向けおよび中国とアフリカ諸国の食用で、計310万トン上方修正されている。この結果、世界の期末在庫は70万トン下方修正された。

大豆の生産はブラジルが200万トン上方修正

 世界の油糧種子の生産量は447百万トンと前月の予測から280万トン上方修正された。大豆、ヒマワリの種、菜種が上方修正され、綿実は下方修正された。

 このうち大豆は、260万トン上方修正の2億6100万トン、ブラジルは良好な天候から前月より200万トン上方修正の7200万トン、パラグアイで60万トン上方修正の810万トンが見込まれている。菜種はロシアが20万トン上方修正の5860万トン、ヒマワリの種はインドとロシアで下方修正となったがアルゼンチンとトルコでそれを上回る上方修正がされている。また、綿実はパキスタンとトルコで下方修正されたもののブラジルではそれを上回る上方修正がされている。

 大豆の期末在庫は、アルゼンチンと中国で搾油向け消費が計120万トン下方修正されたことなどから前月より260万トン上方修正された。

注:トウモロコシ、大麦、ソルガム、えん麦、ライ麦、雑穀など

表6 世界のトウモロコシおよび大豆の国別需給見通し(2011年4月8日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「WorldAgriculturalSupplyandDemandEstimates」
注:年度は、世界各国の穀物年度

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